オタク市場の研究
ときどきニュースで見かける「オタク」についての数字は、野村総合研究所がおこなった約1万人のアンケートから出ていることが多い。それを分析してまとめた本が「オタク市場の研究」です。
なか身はアンケートをもとに新しく定義した「オタク」を12のカテゴリ分けにしてマーケティングの視点から分析しています。正直、文章がかたく「オタク」に興味がなかったら眠くなること間違いなしの内容です。
この本で定義している「オタク」は外見からくるアキバ系のオタク像ではなく、可処分所得の大半と余暇のほとんどを特定の趣味に費やしてしまう人としています。ぶっちゃけ「クルマ、旅行、ファッション」なんてオタクのカテゴリじゃないと思いますが、要はオタク的消費行動をする人を分析してカモろうということなのでしょう。特定の商品やサービスにはまり込んで抜けられなくなり消費しつづける「依存症」のような気もします。
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たった1行で!売る
花王の広告担当だった人が書いたキャッチコピーの本です。「スプーン1杯で驚きの白さに」のアタック洗剤をヒットさせた人です。
たった1行で!売る お客様が思わず買ってしまう商品「キャッチフレーズ」の極意
キャッチコピーの本は何冊か読みましたが基本的な書き方は同じです。商品情報を集め、キーワード(便益、優位な差別化ポイント)を探し、短く解りやすい具体的な場面が浮かぶような文にすること。ただ、この本は「売れる」ことにこだわります。
「広告キャッチフレーズ」と「商品キャッチフレーズ」の違い。TVCMの3本に2本が商品について伝えないで「広告は一世を風靡しても商品はジリ貧」という現状を理解させてくれます。(広告を「作品」と呼ぶひとは要注意です)
「商品キャッチフレーズ」の3つの基本
◎全力をあげて商品の「チャームポイント」を発見する
1.愛用者(リピーター)の意見
2.新製品は消費者調査
3.ブレイクスルー(今までの常識を超越する)型のチャームポイントは調査を重視したうえでの創造になりコンセプト開発です。
◎一瞬でわかる短文を使う
1.チャームポイントが明確に伝わるキーワードを探る
2.伝える内容を1つに絞り、短文で語るように
3.かっこいい言葉を排除する
◎競合商品と差別化する
1.その商品を使うことの利益
2.小さなことでも競合商品より優位なこと
3.使用シーン・わかりやすい結果が目に浮かぶような情景
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図説 奇形全書
200点余りの図版とともに語られる『奇形』に関する読み物です。
サーカスの見せ物小屋や映画などフィクションの話まで扱っているので、学術的な資料としてではなく興味本位の「読み物」として見るのがよいでしょう。ただ話のネタとして、人を惹き付ける逸話探しには役立つ資料です。
狼男や半魚人といった話は「奇形」を誇張した物語だし、ファンタジーに出てくるモンスターもリアルさもあって元ネタは奇形なのでしょう。漫画版のナウシカにも小人の道化や太りすぎの王様王子が出てくるし、マイナーながら草ナギ琢仁の上海丐人賊のキャラクターなどは直球の奇形者で構成されています。
▲図説 奇形全書の全文
一行にこめる言霊
「一行力(いちぎょうりょく)」という本を読みました。これはワンフレーズで心に響く、言霊(ことだま)が宿ったような1行を集めた本です。著者の年齢が上なので聞いたことのないものもありますが、たいていは記憶に残っている一行ばかりで楽しめます。2章3章では一行力、つまりキャッチコピーの書きかたを解説している。
キャッチフレーズの書きかた
1.訴えたいことはなにか(すべて書き出す)
2.訴えたいことの整理整頓(似たものをグループ分け)
3.ターゲットを設定する(訴えたい人を具体的にする)
4.いろんな方向で考えてみる(キーワードを探す)
5.一行に込める(ことば遊び)
▲一行にこめる言霊の全文
キャッチコピーの書き方
もちろん、才能のない素人でもできるキャッチコピーの書き方です。
「書く」マーケティング―「商品」「サービス」「自分」を売り込む
その商品やサービスにあったキャッチコピーの書き方の指南書になります。最近の行間があって、やさしい言葉で書かれた本です。
まさに今、ブログで商品を紹介しているけど上手く書けてはいない。この本を読んでも最後は技術に走らず、心を開いて書くことが最強のようですので、なかなかにムズカシイ。
それでも書かないと何も始まらないし、ネット時代は書いたモノの重要性が増しています。その中でも心をつかむキャッチコピーは、人々を動かす「魔法の呪文」になるのかも知れない。
▲キャッチコピーの書き方の全文
原稿の書き方
井上ひさし先生の作文教室から、原稿を書くのに役立ちそうなところを抜き出しました。
作文の秘訣は自分にしか書けないことを、誰にでもわかる文章で書くということ。
題名をつける時点で、三分の一以上は書いたことになる。
「段落」は、ある考え方の「ひとまとまり」
字引は必須、辞書なしで書くのは大作家でも無理。作家向けの辞書として「角川 必携 国語辞典」1995年、大野晋/著を薦めている。言葉の使い分けに優れている。
文は「いきなり核心から入る」。脳の働きである短期記憶の容量に合うようにしないといけない。短期記憶の容量は驚くほど少なく、情報をだいたい10個以内しか持っていられません。時間にして20秒ぐらいで忘れてしまう。単語数で、7、8語にしかならない。それを整理して中期記憶、重要なものを長期記憶へと移して知識とする。
短文をテンポよく読ませるのが解りやすい文で、長文は「何か」を意図しないと書いてはいけない。読み返さないと解らない文は、短期記憶に入りきらないとき。
文は主語から削るのが鉄則。「私」「僕」といった自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、要らない。日本語は主語を削るとテンポのよい文章になる。
日本語は、言葉にすでに性別があるので「~と彼(彼女)が言った」とは書く必要がない。彼(彼女)は、明治以降に使われ始めた言葉です。
文章に接着剤を使いすぎるな。接続詞「にもかかわらず」「ものの」「だけに」「うえに」「するいっぽう」「しつつ」。接続助詞「―ので」「―から」「―ために」。特に「―が、―」は、つながりがなくても、2つの文がそれらしく、簡単にくっついてしまう。しかも理屈っぽく、頭が良さそうな文に見えるだけ。
「―と思う」「―かもしれない」「―という」「―に関して」「―について」は、ハッキリいわないで済ませる言葉だから、いかに使わないかが勝負。
全部わかって書いている。というくらいで、考え・整理して書き始めて長期記憶からヒュッと意外なことが飛び出すと、面白い文章になる。わかっている事をパターン通りに書いては、読み手も書き手もツライだけ。
小説の書き方
高千穂遙先生が文庫本「銀河番外地1・2」のあとがきに、小説の新人賞選考について書かれているので参考にしてみます。
応募総数は300~500篇ほどで、編集部員や外部委託の人によって事前選考されます。最終選考には数編(約5~6)にまで絞られます。
まず「字が汚い」「誤字脱字が多い」「鉛筆で書かれている」で撥ねるそうです。ワープロが普及した今では字がキレイな人の原稿でも、長時間読むのはつらいそうです。素直にワープロで書きましょう。
全体の構成で「章」と「節」がわからなくなっている。最終選考の作品でもあるそうなので、作者はわかっているのでしょう。自分で気づくにはひと月かかるので、最初から「章」と「節」をきっちり立てて書きましょう。目安として、400~500枚の作品で7章くらい、1章60~70枚なので1節は10枚前後。とはいえ7枚でリズムが出る人もいるので、ここは読点と同じで感覚的です。自分のリズムが何枚なのか見つけましょう。ここは漫画と同じ、プロット立ててページふって、1ページ何コマがいいのか探す。とりあえず好きな作家のページを分解して章・節の配分を研究してみよう。
部分では場景描写が少ないこと。セリフと描写しかないのに、セリフばかりで繋げようとしている。漫画でいえば、ふきだし文字ばかりで絵がほとんどない漫画、よほどの大御所でもなければ読んでくれません。逆に絵だけの漫画、相当の技量がないと理解されません。いつもバランスが大事です。
特に小説は描写が重要。描写でキャラの容姿も、立っている風景も、その動きも表し、小説の中に世界を現さなければなりません。あと、ト書きとセリフだけで出来ている「シナリオ」とは根本的に違うので応用してはいけない。鉄則だそうです。
▲小説の書き方の全文
プチクリレビュー
オタキングこと岡田斗司夫氏のプチクリを読みました。
プチクリ!―好き=才能!(amazon)
200ページそこそこの本で、余白が多く行数も少ないので、読むのが遅い僕でも簡単に読めました。内容も「とっととプロになるのはあきらめてプチクリしましょう」という洗脳書なので、繰り返しのフレーズが多かった。
プチクリについては、著者自身が1ページにまとめています。
プチクリとはなにか?(岡田斗司夫のプチクリ日記より)
1~4章は、引っ込み思案の人でもプチクリできるように、優しく書かれています。それこそ「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」と、いつも頭の中で唱えているような人でも頑張れます。5章は著者が経歴を語っていて面白かった。ガイナックス設立や、その後飛び出した経緯などがわかります。
好き=才能!ということで、才能について語っています。才能は、ゼロと圧倒的な才能で3倍、天才と比べても5~10倍程度で、それよりもコントロール力の方が大事なのだそうです。
才能×コントロール力=表現力
コントロール力とは練習とか訓練で身につく力です。才能が1でもコントロール力を10まで高めれば、才能3でコントロール力3程度の人には勝ります。でも、完璧な才能ゼロなら表現力もゼロという判りやすさもある。
才能は訓練して初めて大きさが判ります。こうやって文章の書き方を訓練するこによって、大小説家としてやっていけるのか?数十人のブログ読者を獲得するのがやっとなのか?わかる訳です。この場合、後者だったのですが・・・・・・まあ、プチクリとして楽しみましょう!ということです。