図説 奇形全書

 200点余りの図版とともに語られる『奇形』に関する読み物です。

奇形全書図説 奇形全書

 サーカスの見せ物小屋や映画などフィクションの話まで扱っているので、学術的な資料としてではなく興味本位の「読み物」として見るのがよいでしょう。ただ話のネタとして、人を惹き付ける逸話探しには役立つ資料です。

 狼男や半魚人といった話は「奇形」を誇張した物語だし、ファンタジーに出てくるモンスターもリアルさもあって元ネタは奇形なのでしょう。漫画版のナウシカにも小人の道化や太りすぎの王様王子が出てくるし、マイナーながら草ナギ琢仁の上海丐人賊のキャラクターなどは直球の奇形者で構成されています。

 昔に読んだ本で改めて読むと、スターリンまでも小人を囲っていた。つまり、それまでは宮廷とか見せ物とはいえ市中でも奇形者は認められていた。なのにヒトラーの優生学的思想以降、現在では見ることない者になっている。化学汚染以外でも自然発生しているはずなのに、テレビをはじめとして規制に次ぐ規制で、居ない者として扱うことの方がより間違っているのではなかろうか?健全な肉体にしか、健全な魂が宿らないがごとくの宣誓にも疑問を感じる。

奇形全書中身01
 
奇形全書中身02
 
奇形全書中身03
 
奇形全書中身04
 
奇形全書中身05
 
奇形全書中身06
 
奇形全書中身07
 
奇形全書中身08

ISBN-13: 9784562032501
▼目次(図説 奇形全書
もくじ p.2
お礼の言葉 p.6
なぜ奇形に関する本が書かれるのか p.7

第1部奇形者はどこから来てどこへ行くのか? p.15
1 奇形者は物と存在の調和からはずれているのか? p.17
2 奇形は人間の起源か p.21
3 奇形が発生する自然現象と原因を説明するための様々な試み p.27

第2部単体奇形 p.75
4 太った人とやせた人 p.77
5 腕のない人、脚のない人、四肢のない人 p.98
6 ひげの長い人と毛深い人 p.125
7 巨人と小人 p.154
8 両性具有 p.216
9 奇妙な人あれこれ p.240
10 性器の奇形 p.279
11 その他の奇形 p.292
12 機械人間 p.301

第3部複体奇形 p.311
13 多重体奇形 p.313

第4部人工的な奇形、事故による奇形と人体の恣意的切断 p.361
14 人工的な奇形 p.363

第5部現代の奇形 p.397
15 奇形者と現代社会 p.399
16 フィクションの中の奇形 p.424

結論に代えて
将来、人類は奇形になるのだろうか p.441
奥付 p.445

拷問の歴史

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