激マン8 デジタルでマンガを描こう
コミッカーズの漫画技法書、激マンシリーズの8冊目。デジタルで漫画原稿を描くために必要な知識を大局的に示しています。
STEP1は、3人のプロ(萩原一至・二ノ宮知子・奥浩哉)がデジタルを漫画制作にどう取り入れているのか、メイキングを紹介する。STEP2は、3つのソフト(Photoshop/ComicStudio/COMICWORKS)の使い方で「下書き~ペン入れ」「トーン作業」を詳しく解説している。STEP3は、Tips集で主にPhotoshopを使った素材作りなどの豆知識があります。
110ページの本で3つのソフト紹介とメイキングがあるので、内容としてはおおまかになっている。これからデジタルマンガに挑戦したいけど、どのソフトにするか?どの作業からデジタルに移行するか?といった初心者向けの指南書です。
デジタルの使い方は人それぞれです。「ネーム→下描き→ペン入れ→効果線→ベタ・ホワイト→トーン」このどの作業からでもデジタルに移行できるし、全てデジタルでもOK。プロの中には「ペン入れ」だけアナログで後はデジタルという、デジタル→アナログ→デジタルな作業をしている方もいます。ソフトをはじめ、自分に合ったデジタルマンガの描き方を見つけるまで悩むしかありません。そこはアナログで描き方を試行錯誤するのも同じです。
■激マン8 デジタルでマンガを描こう(美術出版社の詳細)
▲激マン8 デジタルでマンガを描こうの全文
3DLTに使える素材
コミックスタジオEXの3DLT機能、ちゃんと仕上げ処理をすれば使えると思っています。しかし、Shadeやメタセコイヤなどで3D素材から作るとなると技術がいるし、相当使い回さないと元がとれない。そこでコミスタの3DデータコレクションやShade用に提供されている3D素材集を積極的に使えればラクかと考える。
とりあえず3DLT向きの素材を分類してみた。
・向いているもの>メカ(車、ロボット)・建築物・小物(腕時計、メガネ、銃)、つまり人工物
・微妙なもの>動植物、自然の風景、人などのキャラクター
・向いていないもの>雲、水(雨、川、海)星、太陽、火、つまり効果・トーン処理のもの
デジタル化に関してアニメの方が先を行っている。特にここ数年の3D処理の進歩は凄まじい。価格も下がり個人のパソコンでも3Dが使えるようになって、その素材を3DLT機能で白黒原稿に変換するわけです。でもモノクロ原稿の処理って人の主観による白黒のつけ方で大きく違ってくる。主線の強弱、トーンやベタのメリハリ、どんな漫画でも少なからずデフォルメになっていると思う。それをソフトが処理するというのは、今は無理でしょう。
▲3DLTに使える素材の全文
3DLTにスクリーントーン
イマイチ使いにくいコミックスタジオEXの3DLT機能。この3D素材を操作して漫画に使うという、アナログ時代には考えられなかったデジタルならではの機能です。そのコツを自ら3D素材が作れるみすみ師匠に解説していただく。
・ComicStudio3.0の3Dレンダリング機能「3DLT」チュートリアル
・3DLTガイド その2
で、下はホワイトハウスのコミスタレンダリング結果(みすみ地下闘技場より)の素材を使わせてもらってスクリーントーンを貼ったもの。もう少しきれいに出力されるかと思いましたが、自分の処理の下手クソさに呆れてしまいます。ちゃんと3DLT機能の理屈が解って使えるようになれば、強い味方になってくれるハズかと。
▲3DLTにスクリーントーンの全文
トーン削りの練習2
スクリーントーン百科のP.68「銃を描く」を参考にコミックスタジオでトーン削りの練習をしてみる。銃は3DデータコレクションVol.8の素材「自動小銃01」を使用しました。
無尽蔵にスクリーントーンが使えるので贅沢に5貼りもしてます。銃なんて持っていないので質感なんてワカリマセン。でも上手く描くコツが「これは銃なんだと思いながら、その気になって描くこと」というのに、なんとなく納得してしまいました。
▲トーン削りの練習2の全文
トーン削りの練習
スクリーントーン百科のP.86「雲の表情」を参考にコミックスタジオでトーン削りの練習をしてみる。
スクリーントーンを貼るのは簡単にできるけど、アミの目にそった削りやカスレの削り方がわからない。いろいろ調整する設定があるので研究しないと。砂消し削りとかできるといいな。
▲トーン削りの練習の全文
漫画のフォント
漫画のフキダシに使われるフォントは「アンチゴチ」といいます。平がな・カタカナは明朝体に似た「アンチック」、漢字は「ゴシック」の組み合わせになっています。
コミックスタジオには標準で漫画用のフォントが付いていません。暗にフォントパックを買いましょうということでしょうか?(追記※コミスタver.4.0からPro・EX版に付属しました)
ComicStudio フォントパック Vol.1 Win/Macハイブリッド版
漫画のフキダシによく使われる「アンチゴチ(ComicStudio-GA)」「タイポス(ComicStudio-GT)」「外字(ComicStudio-EXP)」<見本>が収録されています。正確にはコミスタ(デジコミ)用にチューンされていると思う。このフォントはそのまま可読性の高い漫画フォントとして使えるのが魅力です。
▲漫画のフォントの全文
背景カタログと3DLT
先日届いた背景カタログCD-ROMと3Dデータコレクション(Vol.8兵器・銃・バイク)の素材をコミックスタジオで合成してみた。
試行錯誤をして時間がかかりましたが、それでもアナログで描くよりはだんぜん早いです。コツはパース点をしっかり押さえること。この背景の場合は左右の枠外にありますが、そこに3DLTのパースを合わせればあとは大きさを調整するだけです。
背景カタログCD-ROMはPhotoShop形式(.psd)で収録されていますが、コミスタでレイヤーを維持したまま開くことができました。シリーズで続刊してくれれば有用な素材集になると思います。
▲背景カタログと3DLTの全文
コミックスタジオ3Dデータコレクション
※2010年7月30日にコンプリート版が発売されます。
Vol.1~8に収録されている3Dデータ(1,298種類)のワンパッケージ版です。単品のパッケージ販売は終了になります。
■3Dデータコレクション コンプリート版(セルシス)
3Dデータコレクション コンプリート版(amazon)
漫画制作ソフト「コミックスタジオ」のEX版(Ver.4.0からPro版でも)で使える3Dデータ集です。背景作画支援機能の「3DLTレンダリング」の素材として取り込みます。
◇3Dデータコレクションの使い方(セルシス)
▼ComicStudio 3Dデータコレクション(amazon)▼
1.ComicStudio 3Dデータコレクション Vol.1 学校
:学校の収録サンプル ※Ver.4.0のPro・EX版には付属しています
2.ComicStudio 3Dデータコレクション Vol.2 友達が集う場所
:友達が集う場所の収録サンプル
3.ComicStudio 3Dデータコレクション Vol.3 駅・乗り物
:駅・乗り物の収録サンプル
4.ComicStudio3Dデータコレクション Vol.4 アミューズメント・リゾート
:アミューズメント・リゾートの収録サンプル
5.ComicStudio 3Dデータコレクション Vol.5 住宅・ビルディング
:住宅・ビルディングの収録サンプル
※Ver.4.0のPro・EX版には付属しています
6.ComicStudio 3Dデータコレクション Vol.6 ファンタジー
:ファンタジーの収録サンプル
▲コミックスタジオ3Dデータコレクションの全文
ComicStudioVer3.0公式ガイド
あなたもマンガが描けるComicStudio ver3.0公式ガイド/平井太朗(著)は、コミックスタジオ3.0(Debut/Pro/EX)に対応した公式ガイドブックです。
初心者向けのガイドブックで、パソコンで漫画を描くことを最初から学びたい人に向けた本です。なので、一通りコミスタで漫画を描く方法のほか、必要なパソコン知識、タブレットの使い方から、同人誌印刷やWeb発表や投稿のことまで、やさしく説明しています。
ゼロからはじめる人は公式ガイドを読んだあと、ソフトのマニュアルを開いた方が整理されていて良いです。正直、コミスタに付いてくるマニュアルはソフトの機能説明だけなので、全部読んでも漫画は描けません。どこから始めればよいのかワカランのです。
ただ一つだけ、このガイドブックではモノクロレーザープリンターを買うよう強く勧めています。もちろん間違いではないですが、レーザープリンターが必要になるのはプロ、またはプロに近いところで完成原稿を印刷するときだと思います。レーザープリンターは交換トナーが高いし、家庭で個人が持つには使い勝手のよくないプリンターです。本当に必要になったときに買うべきでしょう。それまではスキャナが付いたプリンター複合機で十分です。それにデジタル入稿が普通になればプリンターで印刷する必要もなくなるでしょう。
※コミックスタジオ4.0の公式ガイドブックが2007/11/29発売。
あなたもマンガが描ける ComicStudio 4.0 公式ガイド
▲ComicStudioVer3.0公式ガイドの全文
PhotoShop漫画テクニック
今までのフォトショップで漫画を描く解説本のなかで一番わかりやすかった。そもそもプロ仕様のPhotoShopは初心者向けではなく、漫画を描くことを想定していないソフトなのでわかりにくく、ホンキで素人目線の解説をしてくれるのはありがたい。
とりあえずひな型になる原稿の設定や、枠線の引き方から説明してくれるので、フォトショップの前でボー然となることはないです。PhotoShopCSユーザーをメインにしていますが、PhotoShop6の機能で使えるのでVer.6以降のPhotoShopが対象です。