巨匠に学ぶ配色の基本
葛飾北斎からゴッホまで、見慣れた名画の配色を変え本物と対比して、共感する配色とは何かを解説します。
第1編は色の基本です。色の組み合わせの『色相型』、それぞれの色が持つイメージの『色相の効果』、それに白~グレー~黒のトーンを加えてメッセージ性を高める『トーンの効果』。2編は配色の仕方です。「引き立て」と「なじませ」による、色の強調と抑制で画面を調整する方法を示します。3編は「巨匠に学ぶ構図の基本」とも重なりますが、1枚絵のメインである主役をハッキリさせる、色による視線誘導を学べます。
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比べてわかった!!水彩上達のコツとヒント
ひとつのモチーフを2人の画家が描いて水彩技法を比べ、上達のヒントを得ようという水彩画の技法書です。
はじめは水彩画に使う道具・画材、基本的な技法などを紹介します。そしてメインは、12のモチーフを画家2人が描く様子を並行して掲載する方式で、水彩画の技法を解説する。使う色・画材・技法に、スケッチから始まる細かい制作手順を対比しながら、結果の完成画まで比較していきます。
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巨匠に学ぶ構図の基本
西洋絵画から浮世絵まで、いつまでも心に残る「名画」たち。その中にある構図の基本を解りやすく、間違った作例と対比させて解説する。
「なぜ、この構図が良いのか?」を見慣れた名画の構図を変えて、対比で説明してるので感覚的に理解できます。同シリーズの「構図エッセンス」と説明的には繰り返しな所が多いですが、こちらはより簡潔に整理されている。構図の基本型を9つとし、それに調整を加える14の要素。物語性を示す5役4景。メッセージ性を入れる視線や手足の表現などを解説しています。
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背景画集 草薙6
背景美術のアニメ制作会社「草薙」の画集第6弾。コナミのゲーム背景画のみで構成されています。
今回、第6弾もゲーム背景画。コナミデジタルエンタテインメントのゲーム作品でまとめられている。各作品にコナミの中の人のコメントが載っています。また「幻想水滸伝ティアクライス」の項は、線画と完成背景画の対比になっていて見やすいです。
アニメ背景の技術を活かしたデジタル化から、模様などのテクスチャや照明などの光り物の多用と、デジタルならではの表現に磨きがかかっている。それでもゲーム機のスペック制限から、画質を落としている所があるというのだから驚きです。
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学校では教えてくれない風景スケッチの法則
アニメーション背景美術のノウハウを使った風景画の描き方。小学校でよく使うガッシュ(不透明水彩絵の具)による描き方で、初心者にも解りやすい丁寧な解説です。
学校では教えてくれない風景スケッチの法則―不透明水彩絵の具ガッシュを使って描く
第1章はガッシュ(不透明水彩絵の具)の特徴や、筆の具体的な使い方を紹介。第2章はジブリ出身の著者が、アニメ背景美術から得た風景の描き方のコツを、14の法則にまとめています。第3章は実際に風景スケッチに出掛けて、詳細な筆遣いまでわかるメイキングになっている。そして美しいギャラリー。
やはり特筆すべきは第2章の『14の法則集』。画材、アナログ・デジタル関係なく風景を描くなら知っていて損はありません。他の風景の描き方でも、似たようなことはちょこちょこ指摘されてますが、ここまで簡潔・明確、そして初心者にも解るように説明されているのは素晴らしい。紙に書き出して貼っておくべき法則集です。
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新装版 風景画の描き方
「人体のデッサン技法」のジャック・ハムによる「風景画の描き方」です。1981年に発行された本の新装版になります。
例によって多くの作例(900カット以上)と基本から、痒いところに手が届くテクニックまで、風景画を一段と良くするためのテキストに埋め尽くされています。基本技術をしっかり教え、わずかな訓練で画力が向上することを目的にしている。
『風景画を描く基本』の章では構図についてで、焦点→焦点域→フォロースルーといった視線誘導の解説から、奥行きの出し方、さらには形態の共鳴ともいえる1つの形から様々なものを描き分ける、奥深い講義になっています。その後の章は素材の描き方に充てられ、木、岩と山、雲と空、水(海・湖・川・滝)、建物の具体的な描画法になります。
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背景画集 草薙 Ⅴ(5)
アニメやゲームの背景美術を専門にする制作会社「草薙」の画集第5弾です。「4」に続いてファイナルファンタジーを中心としたゲームの美術設定が収録されています。
草薙秘話は、3人で始めた会社が18年で30人になる話です。背景美術はテレビシリーズなら10人、OVAなら5人でまわるそうです。そしてデジタル化がいち早く導入にできたこと、HPを開設できたことが拡大に大きかった。
ゲーム会社からイメージイラストの依頼を受けて詰めて行きます。飛空艇や家具など小物まで世界観を反映したデザインが必要ですから大変です。各設定画にコメントが付き、中座洋次(草薙代表)、須江信人(舞台デザイン・美術監督)、成田偉保(舞台デザイン・美術設定)が分担しています。最後にデジタルならではの背景画メイキングがあります。
■背景画集草薙Ⅴ(KUSANAGI)
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水彩画プロの裏ワザ2
大好評だった「水彩画プロの裏技」の続編です。美しい水面の描き方に惹かれます。
好評だった前作の内容を薄くするという続編ではありません。しっかりと新しい技法を紹介し、テクニックを公開し、重複を避けている。特に表紙絵の細かいメイキング、混色・色の使い方、練習方法など前作よりさらに詳しく、補完する内容になっています。2冊セットで『入門編』完結です。
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水彩画プロの裏ワザ
手軽な透明水彩による風景スケッチのテクニック集。数ある水彩画入門書の中で作例が一番きれいでした。無駄な線やクセが少なく、色をのせると写実的という万人に好まれる水彩画でしょう。
入門編ということで最初から順を追って教えてくれます。基本テクニック、素材別テクニック、鉛筆デッサンと一つ一つ丁寧に解説してくれて分かり易いです。グリザイユ画法をマスターするのが目標になります。
▲水彩画プロの裏ワザの全文
「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景
44歳の若さで亡くなったアニメーター井岡雅宏の画集。
井岡雅宏画集「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景 (ジブリTHE ARTシリーズ)
画集なんだけど残っている原画が少なく、フィルムから起こしている絵で埋めていたりする。美術ボード59点、着彩美術設定8点、美術設定147点。高畑勲の寄稿文、宮崎駿ほかのインタビューから井岡雅宏の人となりを知ることができる。
それまでの余白を埋めるだけのテレビアニメ背景を「アルプスの少女ハイジ」で自然豊かな情景を伝えるまでに高めた。宮崎監督にして(ハイジよりも)「草原の少女ローラ」の自然描写が最高だったと。