巨匠に学ぶ配色の基本
葛飾北斎からゴッホまで、見慣れた名画の配色を変え本物と対比して、共感する配色とは何かを解説します。
第1編は色の基本です。色の組み合わせの『色相型』、それぞれの色が持つイメージの『色相の効果』、それに白~グレー~黒のトーンを加えてメッセージ性を高める『トーンの効果』。2編は配色の仕方です。「引き立て」と「なじませ」による、色の強調と抑制で画面を調整する方法を示します。3編は「巨匠に学ぶ構図の基本」とも重なりますが、1枚絵のメインである主役をハッキリさせる、色による視線誘導を学べます。
■巨匠に学ぶ配色の基本(視覚デザイン研究所)
このシリーズ、左が本物・右が加工したニセ物と、比較して解りやすくしています。が、構図編のときと違って右の方が良いと感じる場合があります。もちろん解説もあって理屈としては理解できるけど、色は人それぞれに好き・嫌いがあって、あくまで『共感』できる人の範囲があると思う。ゴッホですら配色の失敗例として「アルルのダンスホール」が挙げられている。でも、それに共感できる人がここにいます。
ISBN-13: 9784881082065
▼目次(巨匠に学ぶ配色の基本 名画はなぜ名画なのか?)
もくじ p.2
名画の3条件
1.共感を生む:名画は見る人を配色で元気にする p.4
2.美感を感じさせる:名画はすっきりして美しい気持ちに p.8
3.歓迎感を表す:名画は心を開放して明るくする p.10
第1編配色の基本型 p.12
色相型の効果目指すイメージにぴったりの色相型で描く p.14
1.対決型:激しい緊張と開放感を表す p.16
2.穏対決型:穏やかな緊張と開放感を表す p.18
3.三角型:すっきりした開放感を表す p.20
4.十字型:力強さと開放感を同時に表す p.22
5.全相型:自由で拘束の全くない開放感 p.24
6.微全相型:穏やかで家庭的な開放感 p.26
7.微開放型:穏やかな中に開放感を表す p.28
8.類似色型・9.同系色型:仲間だけの落ち着いた世界 p.30
10.微対決型:都会的でスタイリッシュ p.32
コラム 色の配置3型:対決型・散開型・集中型 p.34
色相の効果それぞれの色相にはそれぞれのイメージがある p.36
1.紅色:幻想的な華やかさを表す p.38
2.赤色:健康的な活気と開放感を表す p.40
3.黄色:陽気な日常の気軽さを表す p.42
4.緑色:野性のパワーと自然を表す p.44
5.青色:堅実な働きと理性を表す p.46
6.紫色:優雅な高貴、神秘性を表す p.48
トーンの効果トーンのメッセージ力は決定的です p.50
1.純色:積極的で力強い開放感 p.52
2.明色:素直で明るい優しさを表す p.54
3.濁色:拘りと秘めた想いを表す p.56
4.淡濁色:拘りのある都会的な優しさ p.58
5.暗色:激しく強い意志と抑圧の力 p.60
6.黒色:秘められた神秘の閉鎖空間 p.62
7.白色:クリアで開放的な気持ち p.64
コラム マチエール:奥深い未知のメッセージを伝える p.66
コラム 光:光のメッセージ 順光・全光・逆光 p.68
コラム 影:影は幻想と神秘を表す p.70
コラム 不似合いな配色:不似合いな配色は、共感を生まない p.72
第2編配色の組み立て p.74
引き立てとなじませ組み立てと調整は引き立てとなじませで p.76
1.色相差:大差は生き生きと開放的 p.78
2.明度差:小差は隠やかで優しくなじむ p.82
3.色量:小色量は優しい上品さを表す p.86
4.色数:多色は自然で落ち着く p.88
5.群化:全体がすっきりと緊張する p.90
6.アクセント:バランスは崩さず生き生き p.96
7.リピート:画面全体が自然に融合する p.98
8.グラデーション&セパレーション:優しさ・情緒・穏やかさ p.102
9.バルール:近景を強く・遠景は弱く p.106
第3編主役を引き立てる p.112
主役は気持ちを安定させる p.114
主役は画面をすっきりさせる p.116
1.中央に・大きく・強い色で:堂々と力強い p.118
2.反対色:シャープに生き生きさせる p.122
3.添え色:主役色は弱い色のままでも p.124
4.明度差を大きく:静かに生き生きとする p.126
5.領地を広く取る:優しい主役が強くなる p.130
コラム 色彩のデフォルメ:固有色からの解放 p.132
所蔵先リスト p.137
参考文献リスト p.140
画家名索引 p.141
奥付 p.142