空の記憶 新海誠美術作品集
秒速5センチメートル/雲のむこう、約束の場所/ほしのこえ/信濃毎日新聞15秒CMの背景画を収めた、新海誠初の作品集。
新海誠美術作品集 空の記憶~The sky of thet longing for memories~
B5の縦型かと思えばカバーを外すと横型の画集です。きれいな画集で、美しい風景がめいっぱい詰まっています。ただ160ページそこそこに427点もの背景画を掲載したため、小さいカットが多いです。タイトルどおり『画集』ではなく『作品集』なのでしょう。
最大の注目点は新海誠の制作環境、背景画の作画テクニックを公開していること。他の画集で見てきた背景画の制作テクニックはアナログがほとんど、フルデジタルは貴重です。アニメ背景画の大御所は10年単位のキャリアを積んでいるのに、新海誠は35歳でトップクラス、しかもアニメーター出身ではない。その上監督でもあるわけだから、異例ずくめの才能になる。まだまだデジタルに使われているアニメ作品が多いなか、デジタルにしかできない新しい表現を創造するとしたら、新海誠が最先端にいるのは間違いないだろう。
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背景画集 草薙 Ⅳ(4)
背景画制作会社「草薙」の画集、4冊目です。ファイナルファンタジーを中心にゲーム背景美術の仕事でまとめています。
ページ3分の2は「ファイナルファンタジー」のデザイン原画になります。ゲームの場合、デザインがメインで完成画はデジタル処理後のゲーム画面になるので、「画集」というよりは「原画集」に近いかと思う。
■背景画集草薙Ⅳ(KUSANAGI)
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アニメーションノート NO.5
アニメのメイキングをメインにしたムック「アニメーションノート」5冊目は背景美術特集です。
アニメーションノート no.5 (2007) (5) (SEIBUNDO Mook)
アニメ作品で印象に残る背景画を挙げると名前が出てくる、草薙(背景美術制作会社)、新海誠、小林プロダクション(男鹿和雄などを輩出)、山本二三(時をかける少女)を全部取材しています。メイキングやインタビューたっぷりの背景画特集号で、1回で終わらすのがもったいないくらいです。実際それぞれが出版している背景画集のつまみ食いのような内容で充実しています。
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男鹿和雄画集II(2)
ジブリの背景になくてはならない男鹿和雄の背景画集第2弾です。
画集としても素晴らしいけど、背景画の描き方・技法についても多くのページが割かれていて、アニメ背景の勉強にも役立つでしょう。表紙絵のメイキング、「もののけ姫」「平成狸合戦ぽんぽこ」を題材にアニメ背景画の技法と表現についてのご教授は貴重かと思う。ただ、ジブリの総天然色、アナログ(手描き)表現の話なのでレベルが高すぎなところもあります。
■ジブリの絵職人 男鹿和雄展-トトロの森を描いた人。(展覧会情報、公式ブログ)
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ジブリTHE ARTシリーズ(背景画集)
スタジオジブリが刊行している画集・作品集です。シリーズ全体では映画で使われたイラスト・イメージボードなどの作品資料と、背景画などを手がけるアニメーター毎の画集に分かれます。
もはやジブリ背景画の代名詞になっている。水彩画のように美しくも、どこか懐かしい感じがする自然豊かな背景が多く、宮崎作品との相性もピッタリです。
◆ジブリの背景「男鹿和雄」詳細
個人のアニメ背景画集として2冊出すのは異例かも知れない。背景画の描き方・技法について多くのぺージが割かれていて、画集としても背景画の教科書としても優れている。
◆男鹿和雄画集II詳細
小林七郎の小林プロダクション出身で男鹿和雄の後輩になります。「光と闇」光源の使い方が巧みで空気感もあり、幻想的で印象に残る背景画が多いです。
◆光と闇 小倉宏昌画集詳細
空気を描く美術―小林七郎画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)
男鹿和雄・小倉宏昌の師匠で、アニメの背景美術の開祖のような方です。キャラ動画に対し、出過ぎず消えず、まさに空気のような背景にすることを目指し、多くの才能を育てています。
◆空気を描く美術 小林七郎画集詳細
井岡雅宏画集「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景 (ジブリTHE ARTシリーズ)
早逝のアニメーション美術監督『井岡雅宏』。画集は「赤毛のアン」「アルプスの少女ハイジ」「ふしぎな島のフローネ」「わたしのアンネット」から現存する美術ボード59点、着彩美術設定8点、美術設定147点で構成。高畑勲の寄稿、宮崎駿や共に仕事をしたスタッフインタビューも収録。
◆井岡雅宏画集「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景詳細
背景画集 草薙 一覧
アニメの背景画専門のアニメ制作会社「草薙」の画集です。
1990年設立の会社ですが、「おねがいティーチャー(2002年1月放映)」の木崎湖周辺の美しい背景で注目されたかと思います。
アニメーションの背景だけの画集というのは珍しく、他には「ジブリTHE ARTシリーズ」と最近発売された「空の記憶 新海誠美術作品集」くらいしか知りません。それに、それらはアニメーター個人の画集でアニメ制作会社名で画集を出しているのは「草薙」だけかと思う。
収録作品、アニメ「鋼の錬金術師」「おねがいティーチャー」「エルハザード」「フタコイ」、ゲーム「サクラ大戦V」「ぼくらのかぞく」「みんなのGOLF」「ファイナルファンタジー」ほか。119ページ
◆背景画集 草薙詳細
収録作品、「FREEDOM」「アップルシード」「太陽の船 ソルビアンカ」「メルティランサー」「超神姫 ダンガイザー3」「アミテージ・デュアルマトリックス」「ギャラクシー・エンジェル」「爆裂天使」。127ページ
◆背景画集 草薙2 SF編詳細
収録作品、「ぼくらのかぞく」「ぼくのなつやすみ3‐北国編‐」
128ページ
収録作品、「ファイナルファンタジー7」「ファイナルファンタジー8」「ファイナルファンタジー9」「フロントミッションサード」「バウンサー」。128ページ
◆背景画集 草薙4詳細
収録作品、チョコボの不思議なダンジョン「時忘れの迷宮」、ファイナルファンタジーX、ファイナルファンタジーXII、フロントミッションオンライン、アヴァロンコード、ルーンファクトリー2・ルーンファクトリーフロンティア、「太陽の子供」CDジャケット。128ページ
◆背景画集 草薙5詳細
収録作品、コナミのゲームから「ラプソディア」「幻想水滸伝5」「幻想水滸伝ティアクライス」「がんばれゴエモン東海道中大江戸天狗り返しの巻」「クイズマジックアカデミー6」。128ページ
◆背景画集 草薙6詳細
収録作品、コナミのNDS用ゲームソフトから「ラブプラス」「ザックとオンブラ まぼろしの遊園地」、TVアニメから「学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEAD」「夢色パティシエール/夢色パティシエールSPプロフェッショナル」。128ページ
◆背景画集 草薙7詳細
新装版 山水画の描法
水墨画、山水画の基礎的な描き方を初心者向けに解説している入門書。
主に自然の景色を描いた山水画は、東洋画の三大部門(山水画・人物画・花鳥画)の一つです。中国で生まれ、天帝のおわす天空まで聳える山岳信仰から尊ばれた。日本に伝わってからは、日本人らしいもっと身近な風景を幽玄に描くように発達してくる。
墨の濃淡だけで表現する水墨山水画は、陰影で立体感を出したり、空気感のある遠景が特長です。自然描写の背景画になじむでしょうし、ふつうに水彩画として応用できる技法も多い。西洋の写実的な絵と違い、余白の使い方・心のおもむくままに浮かんだ景色を描くところも合うでしょう。
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中級者のためのダイナミックに描く山水画
大胆な余白や省略、ダイナミックな筆使いによるデフォルメなど、中級者向けの山水画の技法書。
ダイナミックな作品群をはさみながら、写真と対比した山水画の描き方が載っている。筆使いまで解る丁寧な技法解説です。海外の山や、彩色画など作例80点、技法13例を掲載しています。
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背景画集 草薙Ⅲ(3)日本の風景編
アニメやゲームの背景制作を専門にする会社「草薙」の画集です。3冊目のテーマは日本の風景ということで、街中のありふれた風景から、四季の自然豊かな田舎や観光地などが収録されています。
今回の画集は「ぼくらのかぞく」「ぼくのなつやすみ3」のゲームで使われた背景画がメインです。制作過程もアニメのようにオリジナルでデザイン画から起こすというのより、撮影旅行などで撮った写真からのものが多い。制作方法もアナログの手描きから、デジタルの2Dでの制作、そして3Dを使用したものへと進歩していきます。
▲背景画集 草薙Ⅲ(3)日本の風景編の全文
すぐわかる画家別幻想美術の見かた
15世紀末から20世紀までの幻想絵画、といっても明確な規定はないので『ファンタジーな絵』を描いた画家62人を一覧で観ることができる。ダリやムンクなどの有名な画家から、初めて知る作品まで幅広いです。
幻想絵画を画家別に紹介しています。流派や規則的な技法や伝統があるわけではなく、画家の妄想に近い想像で描かれている。現実の風景は関係ないので、構図も、色・形もフリーダム。なのに、いつの時代も多かれ少なかれ描く人がいて、まとめられるほどになっている。時代もルネサンスからアール・ヌーヴォーまであるのに順番が逆でも気にならない。人間の想像だけが起点になるので、幻想絵画のすごさは想像力の豊かさに比例しています。