マンキ!マンガを完成させるチカラをつける
マンキ!(漫画の基本)は、ネタをまとめてストーリー(プロット)に仕立てて、ネーム・コマ割りに落とし込んで『完成』まで持っていく。それを助け、指南するマンガ技法書です。
マンガ技法書のロングセラーとなった「快描教室(増補版:快描教室プラス+)」「漫々快々」「漫画のスキマ」に続く、9年ぶりの第4弾になります。
ページは上段がマンガで、漫画博士と少年(「巨乳猫耳メガネメイド以下略キャラ」しか思い付いていない)の掛け合いで疑問と回答を提示して、下段の文章でしっかり解説するという構成になっている。
ステップ1は「漫画の道具」について。主にアナログの話で、原稿用紙、つけペン、定規など・・・商品名も挙げた画材宣伝のようです。それらを使う作画の話には進まず・・大人の事情でしょうか。
ステップ2は、描きたいネタをまとめる作業法。結果としてキャラクターの作成につながります。
ステップ3は、物語(ストーリー)の構造分析をして、キャラクターが引き起こす幾つものシチュエーションを組み上げてエピソードに、それを紡いでストーリーまで持って行く。
ステップ4は、3までのストーリーを実際の漫画のコマに落とし込む作業です。ネームとコマ割り、つかみの解説など。
24ページ漫画を物語の構造で6ステップに分解し、1ステップを4コマ漫画にして全24コマのあらすじ漫画にする手法が面白い。コマ絵はそのままコマ割りに使えますし、プロットからいきなりネームをきるよりは破綻しにくくなるかと。
■マンキ! マンガを完成させるチカラをつける(美術出版社)
■マンキ! マンガを完成させるチカラをつける(otaku.com)
快描教室からの3冊は、どちらかと言うと『作画』がメイン。ストーリーの練り方もキャラやシーンからとか、導入が大事とか、コマに押し込む辺りからはありますが・・・じゃあ、ゼロベースで最初からやってみたら?というのがマンキ!。ただ、初心者向けかというと、絵は描ける前提です。快描教室~3冊やって、そこそこ描けるけど漫画作品が完成しない人向けなのかな。
「コミッカーズアートスタイル」の事実上の廃刊から5年・・・出してみれば売れている様なのに、5年も空けた理由が知りたい。そして『漫魂』はどこに逝ったのでしょう?おそらく『作品のテーマ設定』についてだとすると、ストーリー論はそこから始めて欲しかった。
ISBN-13: 9784568504958
▼目次(マンキ!マンガを完成させるチカラをつける Comickers テクニックブック)
マンガ:はじめに p.2-3
もくじ p.4-5
ステップ1.始める前に、知っておきたいこと p.7
道具を揃える p.9
ステップ2.そうだ!まずキャラだ! p.19
ネタをまとめる p.21
オリジナリティって何だ? p.31
Column1:著作権の裁判とは何か p.42
キャラクターを掘り下げる p.43
Column2:キャラクターロール p.55
ステップ3.でも、物語も気になるゾー!? p.57
物語の構造を分析する p.59
Column3:昔話の構造ワーク p.71
物語の基本、シチュエーション p.75
ステップ4.では、マンガを描いてみますか p.83
マンガ:『それいけ!猫美ちゃん』 p.85
Column4:少年の描いたマンガは面白い? p.93
マンガのつかみ p.95
コマ割り・全体構成を考える p.103
Column5:Webコミックのお話 p.111
Column6:プロになるために大切なのは? p.112
コマ割り・部分構成を考える p.113
参考資料 p.121
マンガ:終わりに p.122
著者略歴:菅野博之 p.125
奥付 p.128