マンガの学校1 短編マンガの描き方
16~32ページの投稿用短編マンガを完成させるために、ストーリー面を鍛えるトレーニングブックです。
第1章は短編マンガを分析します。特にメジャーな連載漫画とは違い制約があることを認識し、出来ること・出来ないことを明確にする。その上で4つのポイント(設定・ストーリー・キャラクター・エピソード)を鍛えつつ、実践で2ページ・16ページマンガを描きます。
以降は4つのポイントの具体的な解説とトレーニングです。2章アイデア、設定を練る・3章ストーリー構成・4章魅力的なキャラクター・5章キャラが起つエピソード。巻末はキャラクターや設定作りに使うシートと、作例16ページ漫画になります。
■マンガの学校1 短編マンガの描き方(グラフィック社)
代々木にある専門学校の講師をしていた著者が、漫画家デビューを目指す人のために開いた教室で教えているカリキュラムのようです。その意味では京都精華大学の「マンガの脚本概論」や、劇画村塾の「人を惹きつける技術」も同じになる。いずれも、主に短編漫画のストーリーを良くして編集者に認めてもらいデビューを目指す内容です。
既存の漫画描き方本に書かれていることや、アイデア出しの実用書から持ってきたりと、よく研究されています。実践できればストーリー面でいろいろ言われることも少なくなるでしょう。ただ、段落の数・コマ数・エピソードの範囲からキャラにまで枠がはめられていて、いずれ「短編マンガの描き方を読んだだろ」という指摘がされそうな気もします。評価に迷いますが『大学受験に備えて予備校で夏期講習を受ける』ような感想を持ちました。
ISBN-13: 9784766121452
▼目次(短編マンガの描き方 マンガの学校1)
もくじ p.2
本書の使い方 p.4
第1章 マンガを解剖する
短編マンガとは何か p.6
短編マンガを構成する要素 p.8
実践1:2ページマンガを作ろう p.14
実践2:16ページマンガを作ろう p.24
基本となる短編マンガは3種類 p.48
短編マンガを「企画」と考えよう p.54
第2章 アイデアを練る、設定を作る
もうアイデア出しで困らない p.64
[よいアイデアを出すための3つの方法]
アイデアマンションでアイデアを収集しよう p.76
キャラクター誘導シートで面白いシチュエーションを作ろう p.78
第3章 ストーリーを構成する
構成力を高めるトレーニング p.84
ページ数とストーリー構成要素の数 p.92
物語内時間が長いストーリー p.96
物語内時間が短いストーリー p.100
物語濃度を上げるための2つの工夫 p.102
イントロは絵でみせる p.110
ストーリーに面白さを盛る p.116
第4章 キャラクターを立てる
魅力的なキャラクターを作ろう p.122
信念はキャラクターの背骨になる p.124
主人公の条件 迷わないキャラクター p.128
チャーミングなキャラクター p.132
一週間前後の創作日記を書こう p.136
第5章 エピソードを盛る
描くべきエピソードは何か p.146
2.5次元のエピソード p.148
エピソードデッサンをしよう p.150
引きを作ろう p.154
ツール、作例
マンガ製作ツール p.160
16ページマンガ『バトルスイマーズ』 p.167
あとがき p.183
奥付/漫画教室「いるかMBA」 p.184