日本海軍軍装図鑑

 幕末から太平洋戦争終結までの日本海軍の軍服大図鑑です。

日本海軍軍装図鑑増補版日本海軍軍装図鑑 [増補版]

並木書房

 ついに念願かなって重版されます!!「増補版」として明治期の軍服9点を追加、イラスト合計260点あまりになるようです。

日本海軍軍装図鑑日本海軍軍装図鑑

 映画の衣裳デザイン・衣裳考証などを仕事にしてきた著者が、約35年にわたって続けてきた軍服研究の集大成ともいえる図鑑です。全身のカラーイラスト約250点や、細かな装飾や装備まで丁寧に調べあげた資料価値は計り知れないものがあります。あまりに詳しく調べてあるので軍服どころか、日本海軍が何を考えやってきたのかが透けて見えるほどです。


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第2次大戦各国軍装全ガイド

 第二次大戦に参戦した約30カ国の軍服を、270点のカラーイラストで紹介する軍服資料集です。

第2次大戦各国軍装全ガイド第2次大戦各国軍装全ガイド (ミリタリー・ユニフォーム7)

 この本は1998年にイギリスで出版された「UNIFORMS OF WORLD WAR 2」 を翻訳したものです。1ページに当時の写真から起こしたリアルなイラストが1カット、それに原書からの翻訳と新たに解った事柄を注釈としてびっしり書き込まれている。

 少々値段は高めですが、1冊で第二次世界大戦全域の軍服資料になり、特に絵を描くための資料としては270点のカラーイラストは有用かと思います。独米英ソの充実ぶりも良いですが、ユーゴ・チェコ・オランダ・デンマーク・ギリシャなどのマイナー国の網羅ぶりが素晴らしい。ただ、日本軍は5点だけと少ないですね。

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日本の軍装 1930-1945

 日本軍の軍服や装備品についてのイラスト資料集です。2冊に分かれていて、こちらは1930年~1945年、満州事変~日中戦争~太平洋戦争の期間になります。

日本の軍装1930-1945日本の軍装 1930~1945

 こちらもページは少ないですが、イラストは豊富です。小物や軍服の着方、装備品の収納方法まで詳しく図解しています。

 いわゆる大日本帝国、旧日本軍のことで、陸軍と海軍にきっちり全てが分かれている。航空隊なんて空軍としてまとめればいいのにそうしない。きっちり縦割り行政、今と同じで日本的です。おかげで1つの国に2つの軍隊、2種類の軍服、装備品と資料集めは大変になる。それを1冊できれいに整理できて助かります。

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ヴィレル-ボカージュ ノルマンディ戦場写真集

 第二次世界大戦、ノルマンディ上陸作戦1週間後に起こった、ドイツ軍対イギリス軍の戦車部隊による市街戦、その写真集。

ヴィレル-ボカージュヴィレル‐ボカージュ―ノルマンディ戦場写真集

 わずか2日間、ドイツ軍ティーガー戦車とイギリス軍戦車部隊の死闘。フランスの地方都市を瓦礫の山にして繰り広げる戦車戦。戦術的にはドイツ軍の勝利で、それ故に大々的に宣伝される。戦車戦のエースの活躍による戦果として、物語としても面白い。

 戦車戦を徹底的に検証したマニアックな内容です。戦場写真も豊富で、いわゆる作られた映像ではない戦場、倒壊した建物、破壊された車両、そして死体。限定的ではあるけれど、戦争物の資料として優良です。

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働く男の制服図鑑

 「働く男の制服図鑑」・・要するに「男版のコスプレ図鑑」です。

働く男の制服図鑑働く男の制服図鑑 (Book of dreams)

 眺めて萌えるためか全てイラストになっています。写真はないので細部の質感までは判りませんが、広く浅く職業を網羅しているので、サラッと描く程度なら資料になるでしょう。これ以上の資料、職業が決まっていてキッチリ描くなら、それ専門の高価になりがちな資料を求める方が良いです。


男の制服図鑑 完全版(amazon):男の制服図鑑完全版ということで『働く男の制服図鑑』と『戦う男の制服図鑑』のシリーズ2冊を完全収録。さらに武道・スポーツ選手(サッカー・剣道など)の制服を追加した『競う男たち』(完全描き下ろし)を特別収録した豪華本です。

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大人の男のスーツ図鑑

 「スーツ萌え」なんて言葉が一般に定着しているかは分かりませんが、女性の視点からのスーツ観察のススメというべき内容の本です。

大人の男のスーツ図鑑大人の男のスーツ図鑑

 全てイラストによる紹介で、スーツだけでなくコート、ネクタイ、靴、メガネなど小物に至るまでひと通り、細かく解説している。スーツなんて皆同じように見える人には、こと細かに違いがあることを知識として教えてくれます。写真がないので生地の質感までみたい人には向きませんが、イラストは多くよほどリアルな絵柄でなければ漫画の資料になるでしょう。


大人の男のスーツ図鑑(二見書房)

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毎日新聞秘蔵 不許可写真1

 戦時中の検閲で不許可にされた戦場写真集。

不許可写真1不許可写真 毎日新聞秘蔵 1(シリーズ20世紀の記憶)

 主に1937年~1938年の日中戦争、中国戦線の従軍カメラマンによる写真です。写真と説明書きのスクラッ プブックのような体裁で「検閲済」「不許可」の朱印が押されています。検閲対象は死体・階級章が判る将校・ 兵器内部や詳細が解るもの・軍旗などで部隊配置が分かってしまうもののようですが、かなりお役人の裁量によ るところがあったようです。明らかに将校がカメラ目線でポーズとっている写真が不許可。海水風呂の入浴は不 可で、褌一丁で日光浴は可。破壊された建物は不可で、遠景で炎上中の街は可。

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写真が語る第二次世界大戦

 第一次大戦から20年余りで起こった二回目の世界大戦。ナチスドイツとイタリアはヨーロッパ、大日本帝国はアジア太平洋地域と広範囲で戦われ、死者5500万人というスケールにまで拡大した。その壮絶な大戦を兵士や市民の目線で綴っています。

写真が語る第二次世界大戦写真が語る第二次世界大戦 (「知」のビジュアル百科17)

 第一次の塹壕戦は消え、兵士の数よりも兵器の数がものをいう戦争になった。最初から総力戦で軍VS軍ではなく、軍の最終目標は大都市や工場といった市民がいるところで、今はやらない民間船の撃沈や市民への無差別爆撃を平然とやった戦争でもあった。

 第二次世界大戦は1939年ヒットラーの命令で始まり~1945年昭和天皇の決断で終わった。この7年間の歴史はそれまでの100年分以上の密度があると思う。正直、64ページは足りていませんが、この戦争の大まかな流れと凄惨な事実を見ることは定期的に必要でしょう。それに第二次大戦を題材にした映画は数知れず、今なお作られている。


写真が語る第二次世界大戦(あすなろ書房「知」のビジュアル百科)

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写真が語る第一次世界大戦

 人類史上初の世界大戦。1914~1918年の4年あまりの戦争で起こった象徴的なできごと(塹壕戦、タンク、毒ガスなど)を写真で綴っています。

写真が語る第一次世界大戦写真が語る第一次世界大戦 (「知」のビジュアル百科16)

 オーストリア・ハンガリーのフェルディナンド大公暗殺という、銃によるテロによって始まった世界大戦。主戦場となったのはヨーロッパですが鉄道・海上輸送をフル動員して全ヨーロッパだけでなく世界中から人、モノを集めた総力戦になった。6500万人の兵士が戦い、うち戦死800万、病死200万、負傷2120万、行方不明780万にのぼった。そして民間人も約660万人が殺された。

 今でこそ戦争であっても守るべき法(毒ガスについてなど)が定められているけど、この第一次大戦のやり過ぎがあったからだろう。4年もの絶望的な消耗戦が続いた塹壕の戦闘も、最後は補給が滞るという国力が底をついた形で決着する。4週間のつもりが4年になって、とにかく戦争を止めようという気運ができて休戦で終了する。


写真が語る第一次世界大戦(あすなろ書房「知」のビジュアル百科)

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ドイツ戦車 戦場写真集

 第二次世界大戦のドイツ機甲化師団、つまり戦車部隊の戦場風景写真集です。

ドイツ戦車戦場写真集ドイツ戦車 戦場写真集―ビジュアル版 装甲師団の全貌

 云われているように戦車マニアには既出の写真が多く必要ないでしょう。戦車の構造やディテールが解るようなアップもほとんどないです。

 あくまでも、戦車があって人がいての戦場を写した風景写真集です。カットも戦車資料向けではなく、イラストや映画ような構図のものを選んでいる。ヨーロッパの森や草原、市街地。さらにはアフリカの砂漠やロシアの大地を走る戦車を捉えています。とりあえず、軽く戦車の作画資料を・・というのに良いかも知れません。

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