ルパン三世 死の翼アルバトロス・さらば愛しきルパンよ 絵コンテ

 ルパン三世のテレビシリーズ第145話『死の翼アルバトロス』第155話『さらば愛しきルパンよ』(最終話)の絵コンテです。宮崎駿が照樹務(テレコム)名で脚本・絵コンテ・演出を担当した。

ルパン三世ジブリ絵コンテルパン三世 死の翼アルバトロス・さらば愛しきルパンよ スタジオジブリ絵コンテ全集第2期2

 「カリオストロの城」の後で、ルパン三世TV第2シリーズに不満を持った宮崎駿が、カリオストロの製作メンバーで臨んだ異色のTVアニメ。当時、子どもで画面に釘付けになりつつも『ルパンじゃな~い』という感覚になったのを今でも憶えています。

 絵コンテの手本として優れています。AパートBパートだけの30分アニメ。今のように悟りを開いたような2時間の劇場用アニメ絵コンテよりは解りやすい。不二子ちゃんをひんむいたり、空中戦やら戦車での市街戦やらの派手なシーンを多用して惹きつけながら、『ルパン』というキャラを前面に出すシーンがほとんどなく、純粋にアニメーション・絵で繋いでいる手法は見事です。


死の翼アルバトロスさらば愛しきルパンよ(Wikipedia)

 アトム以降テレビアニメは口パク・使い回しといった方法で、セルの枚数を減らし、キャラクターの力でもって毎週視聴させる方式をとってきた。アニメなのに動かさず安く作って済ますビジネス。その真逆、大量のセル・緻密な背景作画と劇場アニメ並のクオリティで、長期アニメシリーズの最後をしめる。観る方は傑作と喜び、作る方は採算度外視なわけで、これだけ絵コンテ全集に入ったりとズルイともいえる。

 それにしても1980年のアニメで今現実味が出てきている「アタッシュケースサイズの核での自爆テロ」や「日本の技術を使っての自立歩行型ロボット兵器開発」なんてのを描かれている。それを当時の雰囲気で予見したとは恐ろしい。

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ISBN-13: 9784198616670
▼目次(ルパン三世 死の翼アルバトロス・さらば愛しきルパンよ スタジオジブリ絵コンテ全集第2期2
もくじ p.2
絵コンテの見方 p.4
用語解説 p.5

第145話 死の翼アルバトロス
Aパート(カット1~176) p.7
Bパート(カット177~345) p.71
資料編 p.137
絵コンテと本編の違い(欠番一覧) p.138
STAFF&CAST p.139
DATA p.141
設定資料 p.142

第155話 さらば愛しきルパンよ(ドロボーは平和を愛す)
Aパート(カット1~169) p.147
Bパート(カット170~335) p.213
資料編 p.275
絵コンテと本編の違い(欠番一覧) p.276
STAFF&CAST p.277
DATA p.279
設定資料 p.280

アニメーション画面処理について p.283
奥付 p.298

付録:月報2003年4月(冊子12ページ)
宮崎さんは戦争が持つ「魅惑」と「危険」の両面を、遺産として受け継いでいる かわぐちかいじ p.2-4 /作品論 二度目のラストシーン 藤津亮太 p.5-12

スタジオジブリ 絵コンテ全集
サマーウォーズ絵コンテ 細田守

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