絵になるキャラポーズの法則

 棒立ちのキャラに、美しいS字カーブのついたポーズをとらせる技術『コントラポスト』の解説書です。

絵になるキャラポーズの法則絵になるキャラポーズの法則 コントラポストを応用した画期的なポーズの基本

 キャラクターの描き方解説の多くは、顔(目鼻口髪など)の描き方から始まり、体(胴手足など)の各パーツ解説、そして全身(棒立ちキャラ)を完成させて、重心やS字カーブを意識したポーズをつけます。

 あとはポーズ集などを参考にして描きまくる練習となりますが、「棒立ちキャラ」と「ポーズ集」の間に『壁』があるのです。バストショットばかりの構図で避けているとか、足先まで描いたら地に足がつかない人に向けた解決法がコントラポストとなります。

 コントラポストとは、彫刻の用語で「対立、相反すること」を意味するイタリア語です。立像彫刻において「人体を美しく見せるポーズ」として定着したもので「ダビデ像」「ミロのヴィーナス」もコントラポストとなっています。今ではモデルのポージングにも応用されて、それが自然とキャラ絵に描かれているのでしょう。


 コントラポストを簡単にいうと、1.重心をヘソから地面にむけた垂直線とし、2.骨盤の傾きの横線と、3.両肩の傾きの横線の3線で表します。2と3の横線はキャラが片脚に体重を寄せれば並行ではなくなり。結果、背骨はゆるやかなS字曲線を描き、左右非対称の美しいボディラインが出来るのです。

絵になるキャラポーズの法則(グラフィック社)
絵を描く人は知っておくべき!動きのあるポーズや女性らしさをを出すための「S字曲線」と「コントラポスト」(お絵かき初心者の学習部屋)
【レビュー】絵になるキャラポーズの法則 コントラポストを応用した画期的なポーズの基本(もえたつ)

 第1章「コントラポストとは」は、コントラポストの基礎知識・基本ポーズ~座る・寝るポーズを解説します。後に、コントラポストを中心に人体各パーツの描き方を、再入門者向けの内容で教えていきます。

 2章「かわいい・ちょっとセクシー・優雅をコントラポストで演出する」は、コントラポストに頭部の傾きも加えてさらに強調したり、頭身の違うキャラや園児~20代前半の女性へ応用する作例の紹介です。

 3章「アクションにおけるコントラポスト」は、動きのあるダイナミックなアクションポーズにもあるコントラポストを各種スポーツ・格闘技から抜き出してポイントを整理します。

 4章「小道具を持ったときのコントラポスト」は、マイクやバッグ、魔法の杖や箒など小物を持つことでできる決めポーズ(コントラポスト)についての紹介です。

 発売当初、人体の描き方のワンステップにすぎない「コントラポスト」で1冊とは、細分化し過ぎだろう?とスルーしました。しかし、じわじわ人気が出て、今ではロングセラーの様子になっています。それだけ、ここでつまずく人が多いのでしょう。初心者から→ポーズ集を使って練習するまでの『壁』を、コントラポストの理解によって一点突破できるかもしれません。

絵になるキャラポーズの法則中身01

絵になるキャラポーズの法則中身02

絵になるキャラポーズの法則中身03

絵になるキャラポーズの法則中身04

絵になるキャラポーズの法則中身05

絵になるキャラポーズの法則中身06

絵になるキャラポーズの法則中身07

絵になるキャラポーズの法則中身08

絵になるキャラポーズの法則中身09

絵になるキャラポーズの法則中身10

ISBN-13: 9784766124859
▼目次(絵になるキャラポーズの法則コントラポストを応用した画期的なポーズの基本)
もくじ p.2
はじめに:伊原達矢 p.4

第1章コントラポストとは p.5
01ポーズを決めよう p.6
 美少女を描いても女性的にならないのはなぜ? p.6
02コントラポストの基礎知識 p.8
 コントラポストとは p.8
 重心の説明 p.9
03コントラポストの基本ポーズ p.10
 コントラポストのポーズのとり方 p.10
 正面からのコントラポスト p.11
 背面・斜めから見たコントラポスト p.12
 骨格アタリをとる作図法 p.13
 パースを意識した作画 p.14
 パースを意識した作画(アオリ・フカン) p.15
 いろいろなポーズ p.16
04リラックスと緊張 p.18
 リラックスから生じる「コントラポスト」 p.18
 緊張から生じる「コントラポスト」 p.20
05イスに座る p.22
 シーソーの原理 p.22
 背面・斜め・アオリ・フカン p.24
06床(地面)に座る p.26
 シーソーの原理 p.26
 重心移動 p.27
 床(地面)に座ったポーズの例 p.28
 斜め・アオリ・フカン p.29
07床に寝る p.32
 寝ても「コントラポスト」のポーズがつくれる p.32
08「胸」と「腰」と「お尻」をおさえる p.36
 S字を強調する p.36
 胸(バスト)の描き方 p.38
 美しい「デコルテ」 p.40
 意外と描けていない胸と筋肉のつながり p.42
 腰の描き方 p.44
 お尻の描き方 p.48
09「脚」と「足」をおさえる p.52
 「足」の描き方 p.52
コラム1:「コントラポスト」を意識しないポーズ p.54

第2章かわいい・ちょっとセクシー・優雅をコントラポストで演出する p.55
01「コントラポスト」を強調する、頭・肩の傾き p.56
 頭・肩の傾き p.56
 頭を傾かせてS字を強調する p.57
02かわいらしさを強調する「コントラポスト」 p.60
 3つの魅力 p.60
 「かわいらしさ」を学ぶ p.62
 幼稚園児・制服 p.64
 幼稚園児・私服 p.66
 小学校低学年 p.68
 小学校高学年 p.70
 中学生 p.72
 高校生 p.76
03ちょっぴりセクシーなポーズへの応用 p.80
 より女性らしいポーズとは p.80
 第二次性徴・前期(小学校高学年) p.82
 第二次性徴・前期(中学生) p.86
 第二次性徴・後期(高校生) p.90
 第二次性徴・後期(20代前半) p.94
04なにげない動きで優雅なポーズをつくる p.98
 優雅なポーズとは p.98
 小学校高学年 p.100
 中学生 p.102
 高校生 p.106
 20代前半 p.110
コラム2:インパクトのあるコントラポスト p.112

第3章アクションにおけるコントラポスト p.113
01動きの基礎 p.114
 その1「走る」 p.114
 その2「ジャンプ」 p.116
 その3「投げる」 p.118
 その4「打つ」 p.120
 その5「蹴る」 p.121
 様々なスポーツの独特な動き p.122
 戦うアクション p.132
02連続した動き p.136
 テニス p.136
 バレーボール p.138
 背面跳び p.140
 フィギュアスケート p.142
 バレエ p.144
 体操 p.146
 カンフー p.148
 日本刀 p.150
 ショートソード p.152
 ロングソード p.154
コラム3:動きの中のコントラポスト p.156

第4章小道具を持ったときのコントラポスト p.157
01日常的な小道具 p.158
 携帯電話 p.158
 マイク p.160
 ショルダーバッグ p.162
 旅行用バッグ p.164
02ファンタジーな小道具 p.166
 巫女の小道具 p.166
 魔法使いの小道具 p.168
 魔法少女の小道具 p.170
 特撮ヒロインの小道具 p.172
コラム4:独自解釈によるコントラポスト p.174
イラストレーター紹介
著者/イラスト:伊原達矢
カバー画:Nino(2no
本文イラスト:宣教師ゴンドルフ(赤いガラスの宮殿)/宮月もそこ(CUTIE)/天神うめまる(purichike) p.175
奥付 p.176

メモ:「コントラポスト」の用語はないものの「MANZEMI」の第1章「トラックとムーブマン」でも同じことが書かれています。

また、碧風羽先生の「なぞって上達!マンガキャラ描き方・デッサン」でも『キャラは脚から描け』と教えています。一部、不評を買った2冊ですが、要はコントラポスト(重心・足先までを含めた絵)を考慮した全身のアタリをとった上で、下描きを「脚から描くか?」or「顔から描くか?」の自由選択で良いと思います。

いずれにせよ、全身のアタリから細部を狂いなく描ける画力を身に付けるべきです。

萌えキャラクターの描き方 顔・からだ編
マンガの基礎デッサン 女のコキャラ編
マンガの基礎デッサン セクシーキャラ編

▼コメント
▼コメントを投稿する
名前
メールアドレス
URL
コメント
パスワード ※パス入力すればコメント編集できます