シュナの旅
宮崎駿がチベットの民話「犬になった王子」を元にして描いた文庫本サイズの絵物語。
1983年初版で、水彩フルカラーの漫画に近い表現というのは異例ずくめで衝撃だった。アニメージュで漫画版「風の谷のナウシカ」を連載していた時期で、いわゆるアニメを干されて後のジブリアニメの企画書をせっせとこさえていながら「地味な企画」としてボツにした物語を本にしたわけだ。
四半世紀が過ぎても胸にグッと来るものがある。名作という物語だろう。後にゲド戦記で宮崎Jr.が絵コンテの参考にしたり、アスベル・ヤックル・もののけ姫のカット割りと多くのジブリ作品の原典という結果になった。
■シュナの旅(Wikipedia)
漫画家は成功すると「不朽の名作」を志向する。それは無駄をそぎ落とし流行を一切断って、およそ童話や昔話の形に落ち着くのだけど、漫画家で成功したのは手塚治虫の作品くらいではないかと思う。それ以外では漫画版「風の谷のナウシカ」と「シュナの旅」だから、その共通点を洗い出すのも面白いかも知れない。
▼目次(シュナの旅)
もくじ p.2
旅立ち p.4
西へ p.22
都城にて p.45
襲撃 p.62
神人の土地へ p.80
テア p.114
あとがき p.148
奥付 p.151
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