千と千尋の神隠し 絵コンテ
スタジオ『ジブリ』の名を世界ブランドに決定づける作品。ストーリーは非日常の異世界に行って、主人公が成長して、帰ってくるというハリウッド形式とでもいうセオリーを踏襲する。
『もののけ姫』まではストーリーをあれこれ組み替えていたように思う。しかし『千と千尋の神隠し』では超越したというか、動かしたい映像が徹底して先行する方式のようだ。結果、エコだの自然保護だの自分探しだののテーマ性は打ち出さず、説明すべきことも説明せず、「何だこりゃ!」という様な映像が連なる。観客ひとりひとりが後で考え、勝手に解釈してね、という上手い効果に仕上がっています。
絵コンテを読むと『もののけ姫』で懐疑的に導入され、好感触を得たCGが、前向きに多用されている。実際、「油屋」の豪華な映像美に貢献しているのですが、最新「ポニョ」では否定される。そこは絵コンテ等の資料を研究するのも良いかも知れない。
あと唯一の女性キャラ、イモリの黒焼きが大好き「リン」は(宮崎のスケッチによると)キツネらしい。にしても「イモリの黒焼き」が「密輸時代のバイアグラよりも価値があるらしい」って、やっぱ油屋はそういう設定なのか。
■千と千尋の神隠し(Wikipedia)
ISBN-13: 9784198614393
▼目次(千と千尋の神隠し ジブリ絵コンテ全集13)
もくじ p.2
絵コンテの見方 p.4
用語解説 p.5
Aパート(カット1~253) p.7
Bパート(カット254~568) p.117
Cパート(カット569~878) p.259
Dパート(カット879~1175) p.403
Eパート(カット1176~1379+エンディングクレジットバック1~14) p.549
資料編 p.629
絵コンテと本編の違い(欠番一覧) p.630
STAFF&CAST p.631
DATA p.634
アニメーション画面処理について p.635
奥付 p.650
付録:月報2001年10月(冊子12ページ)
宮崎監督からもらった大きな宿題 宮部みゆき p.2-4 /作品論「千と千尋の神隠し」 おかだえみこ p.5-12