アルスラーン戦記12 田中芳樹

　最新刊アルスラーン戦記12 暗黒神殿を読み始めたけど、さっぱり忘れている。アルスラーンが王都を奪還しパルス王国を掌握してから、とても長い年月が経った気がします。で、アルスラーン戦記（9）（10）から読み直してみた。

　大きな流れとして、パルス国王になったアルスラーン。落ちのびたヒルメス率いる仮面兵団が同盟国シンドゥラに侵入。その救援のため「アルスラーンの半月形」と呼ばれるトゥラーン＞チュルク＞シンドゥラの3カ国に及ぶ遠征を行い、ほとんど無傷で凱旋する。その後、蛇王ザッハークの眷属の怪物が復活しはじめ人間対悪魔という構図になり、登場人物の多さを活かした複数箇所同時展開で（11）魔軍襲来、（12）暗黒神殿と続いています。

　どうもシンドゥラから帰国してからの同時展開のせいで時間が進んでいない。とくに主役のアルスラーン、ナルサス、ダリューンが王都エクバターナで果物やシャーベット食べてる間に２巻進んでしまった気がする（物語では1ヶ月くらいでしょうが）。あと、人間対魔物なのに、魔軍がザッハーク以下イルテリシュ、レイラと怪物の皆さんでは寂しい。ヒルメスが魔軍に付くとか、アンドラゴラス以下死者を復活させて魔軍にするとか仕掛けがほしいところです。

　「すってんころりん。」
　12巻最大の見せ場、アルスラーンの花嫁候補アイーシャ。何もない平らな床でつまずくドジッ娘属性。田中先生やってくれました。もう、何人死ぬのか知りませんが蛇王ザッハークはどうでもいいや～

■Wright Staff：田中芳樹先生が所属する作家事務所

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