帝王列記 西洋編
西洋における『国王』君主制について最古のハムラビから米国ケネディまで、帝王の伝記を通して王政の歴史を考察する読み物です。
まず抜き出された王が多くないので、事典としては使えません。選択基準がインドより西から、アメリカまでの欧米。そして世襲の可能性を重視して米大統領のケネディ家がありつつ、ヒトラーは独裁者なので選ばれないとか。ヨーロッパに多大な影響があったのでチンギス・ハーンを挙げたりと、ちょっと変わった帝王のピックアップをしています。世襲によって安定した生涯を送った王ではなく、起伏の多い人生だった王たちの伝記集として感慨深く読めます。
通して王制の物語です。家族→村→都市国家→文明国家と大きくなっても、家長が王になるのが自然で、文明発祥の地メソポタミアを統一したハムラビも当然王制だった。しかし、すぐローマ共和制が出てくる。文明を守り維持するなら君主制でも足りたが、より拡大し侵略し他よりも発展するには有能な軍司令官を選ぶ形での共和制(民主制)が有利だった。
■帝王列伝 西洋編 立ち読み(新紀元社)
世襲による統治と能力主義による拡大、その興亡によって過密な戦争地域がつくられ多くの歴史的な王を輩出して加速度的な発達をとげた西洋文明という見方もできます。
かくして最も早く発達し拡大し、勝ちまくったアングロサクソン系文明は君主制・共和制を巧みに使い分け、最後、共和制民主主義という国を滅ぼさずに王を取り替えるシステムにして、世界統治を目指している様にみえる。
ISBN-13: 9784883173174
▼目次(帝王列記 西洋編 Truth In Fantasy 38)
前書(はじめに/選択基準) p.2
もくじ p.4
第1章 古代の帝王 p.5
ハンムラピ p.6
トトメス3世 p.12
ソロモン p.24
ダレイオス1世 p.26
アレクサンドロス大王 p.30
第1章まとめ p.46
第2章 ローマ皇帝 p.49
ユリウス・カエサル p.50
クレオパトラ7世 p.64
オクタヴィアヌス p.70
ネロ p.78
ハドリアヌス p.80
ゼノビア p.84
コンスタンティヌス1世 p.88
アッチラ p.92
第2章まとめ p.94
第3章 騎士と僧侶と帝王 p.97
ユスティニアヌス p.98
ヘラクリウス p.102
シャルルマーニュ p.104
ハインリッヒ4世 p.108
サラディン p.110
リチャード1世 p.114
チンギス・ハーン p.118
ティムール p.130
シャルル7世 p.134
メフメット2世 p.136
第3章まとめ p.140
第4章 帝王の時代 p.143
イザベル1世・フェルナンド2世 p.144
マクシミリアン1世 p.150
ヘンリー8世 p.154
フェリペ2世 p.156
イワン4世 p.158
エリザベス1世 p.162
メアリ・スチュアート p.168
グスタフ・アドルフ p.174
ルイ14世 p.178
ジョージ1世 p.182
ピョートル大帝 p.186
フリードリヒ2世 p.190
エカテリーナ2世 p.196
第4章まとめ p.200
第5章 帝王の黄昏 p.203
ジョージ・ワシントン p.204
ルイ16世 p.210
ナポレオン1世 p.216
ウィルヘルム1世 p.226
ナポレオン3世 p.232
ルートヴィヒ2世 p.236
ヴィクトリア女王 p.238
レオポルド2世 p.240
ニコライ2世 p.244
ヴィルヘルム2世 p.246
J・F・ケネディ p.250
第5章まとめ p.256
付録帝王生没年表 p.258
参考文献 p.263
索引 p.268
奥付 p.273