アルベール・カーン コレクション

 発明されたばかりのカラー写真技術を使って、20世紀初頭の世界を記録した壮大な写真集。

アルベール・カーンコレクションアルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界

 1907年にジャガイモの澱粉を使ったオートクロームというカラー写真技術が発明された。それに目を付けたフランスの銀行家で富豪のアルベール・カーンは、世界各地にカメラマンを派遣して「地球映像資料館」なる慈善事業を始めた。

 この写真集は1908年から1931年にかけて40か国以上で撮影された、カラー写真72,000点のコレクションから、文化的・民族性・戦争、事件といった視点で選ばれた387点を掲載しています。本来なら高価な写真撮影など頼めない、そもそも写真を知らない庶民を多く撮影している。世界各地の田舎の風景、庶民の暮らし、西洋化で消えていくことを予見して記録されたカラー写真は、お金よりも価値のあるモノを残したかったカーンの先見性が確かだったことを現しています。

アルベール・カーン(Wikipedia)
The Wonderful World of Albert Kahn※右の項目で他の地域のサムネイルページが見られます

 筋金入りの平和主義者だったアルベール・カーン。世界平和の実現に、民族・文化の違いと戦争の悲惨さを理解させるのにカラー写真で映像資料館を、という構想は間違いではないと思う。しかし彼の死の前後(1940年)、第二次世界大戦が始まりフランスも占領され、ホロコースト・原爆投下と最悪の結果になる。人と人との理解には地道で戦争よりも遙かに時間が要ることなのだろうか。

 最後に、これだけのカラー写真資料を残したカーンが、実は大の写真嫌いだった。撮られるのを許可してポーズをとって写したのが銀行街を背景に白黒写真が1枚だけ。生涯最初で最後のたった1枚、当然カーンの肖像写真に使われている。なんて魅力的なキャラの起った人物なのでしょう。

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ISBN-13: 9784140093450
▼目次(アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界)
もくじ p.5
まえがき p.6
はじめに p.8-17

1 西ヨーロッパ p.18
2 南北アメリカ p.80
3 バルカン半島 p.98
4 第一次世界大戦 p.130
5 極東 p.184
6 インドシナ p.228
7 中東 p.260
8 アフリカ p.280
9 ポートレート p.310
10 日本※日本語版のために特別に収載しました p.320

補遺1 オートクローム法 p.330
補遺2 アルベール・カーンとその遺産 p.334
国名による索引 p.342
追加キャプション p.343
参考資料および文献リスト p.344
謝辞 p.345
奥付 p.347

写真が語る第一次世界大戦
マールカラー文庫シリーズ
西アジア・中央アジアの民族服飾

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