天空の城ラピュタ 絵コンテ
風の谷のナウシカで空前の大ヒットを成した宮崎駿の次作品。
ナウシカの制作委員会だったスタジオジブリを正式に会社組織にしての第1作。とわいえナウシカで力を出しきった監督はしばらく他の仕事をしてから開始する。長い準備期間と壮大なテーマを扱ったナウシカが娯楽映画としては難しかったとの反省から、単純明快な「空を舞台とした冒険活劇」になった。
■天空の城ラピュタ(Wikipedia)
多くの映画評論家が宮崎駿の真髄は「空を舞台とした冒険活劇」にあるという。無理にテーマ性のあるものを求めないで、自由に娯楽性を追求した方が良い映画になるのではないか?というのである。確かに才能的には得意でしょうが、本人の希望は別なようだし、本質はまだ見せていない処にあると思う。
絵コンテとしては1643カット、絵コンテ全集で最も分厚い702ページ。カット数はもののけ姫の方があるけど、1カット1カットが良く動くためページが膨大になっている。およそ止め絵で語っているシーンはなく常に動くし、何かをしつつしゃべる。これだけ良く動くアニメ映画を13ヶ月で制作したのも驚異的です。ポニョのメイキングで「昔は今の3倍仕事ができた」と仰っていた。
「エログロは下作」という監督にしてはめずらしい、人を殺しまくる悪役キャラ=ムスカ大佐。1495カット「キャハハハハハ(近ドー君の笑い)」という指示が今となっては切ない。あとタイガーモス号の台所のシーン982カット(高円寺の一番汚い中華ソバ屋位きたない)ジブリスタッフにしか理解できない指示がまた面白い。
▼目次(天空の城ラピュタ スタジオジブリ絵コンテ全集2)
もくじ p.2
絵コンテの見方 p.4
用語解説 p.5
Aパート(カット1~401) p.7
Bパート(カット402~927) p.191
Cパート(カット928~1144) p.403
Dパート(カット1145~1643) p.487
資料編 p.681
絵コンテと本編の違い(欠番一覧) p.682
DATA p.683
STAFF&CAST p.684
アニメーション画面処理について p.687
奥付 p.702
付録:月報2001年6月(冊子16ページ)
宮崎アニメはぼくにとって最高の参考書です 本広克行 p.2-8 /作品論「天空の城ラピュタ」 おかだえみこ p.9-16