どんなストーリーでも書けてしまう本
ストーリーから4つのパターン・シナリオを導き出します。4つのシナリオを元に、置き換えやトッピングなどブラッシュアップして、より良いストーリーに整えるシナリオ発想法です。
どんなストーリーでも書けてしまう本 (シナリオ教室シリーズ)
既存のメジャー作品から、主人公の動機(導入部分)と目的(最後は誰のためなのか)に絞って、4タイプに分類します。
1.自分の意志で/自分のために動く[例:キューティ・ブロンド/スラムダンク/白い巨塔/ロミオとジュリエット]
2.巻き込まれて/自分のために動く[例:寄生獣/ホーム・アローン/それでもボクはやってない/フォーン・ブース]
3.自分の意志で/他人のために動く[例:岳 みんなの山/ドラゴン桜/海猿/ゴルゴ13]
4.巻き込まれて/他人のために動く[例:ダイ・ハード/千と千尋の神隠し/ナルニア国物語/アリス・イン・ワンダーランド/セルラー]
この4タイプを動機/目的/障害/結末/変化などの要素にシナリオ分解するステップ1。以降(ステップ2~5)、要素の置き換えや、プラスする3つのキーワードとの組み合わせ、3つのトッピング(時間縛りなどのスパイス)の盛り方。そして、そもそものストーリーの構想・着想を得る6つの発想法になります。
ステップ6-7は、ストーリーが崩壊していないか?の確認と、エンターテイメントとして成立しているか?のチェックリストです。
多くのシナリオ論の始めにある『箱書き』に、自分と相性の良い血液型(4パターン・シナリオ)を探すみたいな、簡単なつくりになっている。SFとかミステリーなど作品ジャンルによっての構成の話はなく、キャラクター論も別の話だそうで(ページに余裕があるのに)薄い本です。魚料理で骨だけしゃぶっているみたいで、少し旨みを感じるけど身の少ない内容かと。
書いている物語があって整理したい人、好きな作品はハッキリしているけどどこから始めれば~という人には効くでしょう。
著者は『婚活』『腐女子』といったキーワードのホームドラマの脚本家です。作品例や言い回しで好き嫌いが出る方もいるかと思います。
個人的な属性でいえば、序盤は「2.巻き込まれて/自分のために」~主人公が成長して「3.自分の意志で/他人のために動く」長編作品(ガンダムシリーズとか)が感動するパターンと整理できる。その骨組みが解っただけでも旨みはありました。
ISBN-13: 9784905369332
▼目次(どんなストーリーでも書けてしまう本 シナリオ教室シリーズ)
はじめに p.3-7
もくじ p.8-11
ステップ0 ストーリーづくりを難しく考えていませんか? p.12
いきなりストーリーを考えてはいけない p.12
ストーリーは要素の組み合わせにすぎない p.13
ストーリーのタイプは4種類しかない! p.14
同じジャンルからヒントをもらうのはNG p.15
何をするか(目的)となぜそうするのか(動機)をおさえておく p.15
分類してみるとストーリーづくりは楽になる p.16
ステップ1 分類して、どれにするか決める p.17
既存の作品から、自分が書きたいストーリーの「タイプ」を見つける p.17
タイプ1「自分の意志で/自分のために」 p.17
タイプ1のストーリーの基本要素とは p.18
タイプ2「巻き込まれて/自分のために」 p.21
タイプ2の基本要素 p.22
タイプ3「自分の意志で/他人のために」 p.24
タイプ3の基本要素 p.25
タイプ4「巻き込まれて/他人のために」 p.27
タイプ4の基本要素 p.27
要素をつなげると「あらすじ」に! p.30
やってみよう p.31
ステップ2 置き換えるだけでストーリーができる p.33
置き換えれば、ストーリーが簡単にできてしまう p.33
置き換えのコツ p.33
実例で考えてみよう p.35
あえて無理な設定をしてみる p.36
「無理」を無理でなくすコツ p.37
置き換え例その3『わたしを甲子園に連れてって』 p.38
あのベストセラーもタイプ1だった p.39
違うジャンルで考えてみる p.40
やってみよう p.42
タイプ1「自分の意志で/自分のために」 p.42
タイプ2「巻き込まれて/自分のために」 p.43
タイプ3「自分の意志で/他人のために」 p.44
タイプ4「巻き込まれて/他人のために」 p.45
ステップ3 ストーリーをより豊かにする3つのキーワード~相棒・ロードムービー・ディズニーランド p.46
1.相棒がいるかどうか、2.ロードムービーか特定の場所か p.46
バディ(相棒)がいる p.47
タイプ1のバディモノ p.47
タイプ2、3、4のバディモノ p.48
すごろく形式(ロードムービー) p.49
タイプ1の「すごろく形式」 p.49
タイプ2の「すごろく形式」 p.50
タイプ3の「すごろく形式」 p.50
タイプ4の「すごろく形式」 p.51
ディズニーランド形式 p.53
タイプ1のディズニーランド形式 p.54
タイプ2のディズニーランド形式 p.54
タイプ3のディズニーランド形式 p.55
タイプ4のディズニーランド形式 p.56
これまでのおさらいとストーリーをもっと面白くするコツ p.57
正反対のモノや異質のモノを組み合わせる p.57
バディの有無とロードムービーか否か、を考える p.57
発想をとばす、常識を疑ってみる、否定しない p.58
「フツーこうだよね」はいったん忘れる p.59
「変化」≒テーマ。結末を変えればテーマも変わる p.60
「密室」にするだけで、ドラマが発想しやすい p.61
やってみよう p.63
ステップ4 もっと面白くする3つの「トッピング」 p.65
トッピングをなめてはいけない p.65
トッピングその1 「どこで」と「いつ」 p.65
場所の設定だけでこれだけ変わる p.66
ディテールを「本当」っぽくつくり込むと大嘘がつける p.67
「時限爆弾をセット」すれば、一気にドキドキハラハラの展開になる p.69
「今」の延長線上に未来がある、と考えるのがSFのリアリティ p.72
トッピングその2 立ち位置 p.74
ファンタジーふうな例で考えてみよう p.74
日常の設定でも周囲と違う「立ち位置」にする p.77
トッピングその3 縛り(カセ) p.78
基本要素の「障害」に注目 p.78
「時限爆弾」も縛り p.79
どうやったら縛りができるか p.80
やってみよう p.81
ステップ5 ストーリーの「とっかかり」を見つける6つの発想法 p.82
発想力がある人とは p.82
お伽話のパターンから発想 p.84
シンデレラ p.84
かぐや姫 p.87
桃太郎 p.91
「やってはいけないこと」から発想 p.93
職業から発想 p.97
題材から発想 p.98
「フツーこうだよね」の逆を行く発想 p.100
「もし●●だったら」をとことんまで拡大・飛躍させる p.101
ステップ4までとむすびつける p.102
やってみよう p.103
ステップ6 3×3リストで「確かめ算」 p.104
ストーリーづくりの「確かめ算」 p.104
客観的にチェックしよう p.106
もっと面白くならないか p.108
「WHOM」(誰と、誰を)の考え方の例 p.109
ステップ7 7つのチェックポイント p.111
どういう話か一言で言えるか。魅力的なキャッチフレーズがつけられるか p.111
「とんがり」(エッジ)と「丸み」(わかりやすさ)があるか p.113
レア感、トレンド感、「言われてみれば納得」感はあるか p.115
主人公は、限界を越えようとしているか? p.119
人の欲望や願望が描かれているか p.121
シーンとしての見せ場があるか p.122
自分が本当に面白いと思っているか p.124
最後に p.125-126
奥付 p.127