ペンで描く スケッチから細密描写まで

 マール社のやさしい人物画やさしい美術解剖図と同じシリーズで、外国人著者の翻訳本です。原書は古く1930年の「Drawing with Pen and Ink」で古典になります。

ペンで描くペンで描く―スケッチから細密描写まで

 戦後、手塚治虫が今の漫画の型を創るより前に、海外で確立していたペン線画のみで表現する描き方です。今のトーン主流の漫画解説書ではペン線は「直線の入り・抜き・円・カケアミ」程度で終わってますが、実はその先にも多彩な表現方法があります。その一つ一つを丁寧に解説し、後半では多才な線画家たちの作例を数多く載せていて、好みのペン処理をみつけることができるでしょう。

 今の漫画を全てトーンなしで描くのはキツイでしょうが、ペン線のみで表現するコマは独特の雰囲気になる。回想シーンなど、ここぞというときの効果に使うのが良いかと思います。漫画版「風の谷のナウシカ」や「ベルセルク」にみられる線画処理方法が解ったのは収穫でした。

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ペンで描く(美術・デザイン出版:マール社)

目次(ペンで描く スケッチから細密描写まで)
 編者記 p.5

第1章ペン画について p.11
 ペン画の普及~素材の限界~ペンの限界 p.11
 個人的な技法の発展~商業への順応~その他の特徴 p.12

第2章用具用材 p.13
 羽根ペンと葦ペン~金属ペン p.13
 ペン軸~ペン拭き~インク~紙 p.16
 画板~画鋲 p.17
 鉛筆~定規~消しゴム~ナイフ~字消し板~ブラシと布~吸い取り紙~インク・スタンド p.18

第3章初歩的なペンの扱い方 p.19
 時間をかけること~実習の用材~準備 p.19
 ペンの持ち方~均一な線を一様に引く p.21
 役に立つ訓練~筆圧~曲線 p.23

第4章トーン構成の実際 p.25
 まず表現例を学ぼう~直線によるトーンの構成 p.25
 自由にトーンを作る~線の組み合わせ p.27
 特殊なトーン p.28

第5章明度の初歩的練習 p.29
 ペン画における明暗~明度のスケール~グレーの明暗を作る p.29
 トーンの段階 p.31

第6章輪郭とその描法 p.33
 輪郭線のタイプ p.33
 製図家への言葉~輪郭線の強調 p.35
 輪郭線による写生~強調した輪郭線による写生~輪郭線描法の進め方~輪郭線描法で建築物を描く p.37
 輪郭線描法の例を学ぶ p.43

第7章光と陰について p.45
 フォルムの観察と分析~単純な対象から始めること p.45
 自然との逆行~対象物の2分類 p.48
 いろいろな原則を学ぶ p.50

第8章明暗を描く p.51
 制作環境~照明 p.51
 モチーフ台~その他の用具~モチーフの選択~モチーフの分析~描き始める~検討~親指を使った測定 p.53
 明度を考える~インクで描く~技法~練習問題 p.55
 フォルムと線の方向の関係 p.56
 練習問題~テーブル・ライン~マージン・ライン~直線の研究~丸い形態 p.58
 メモリー・スケッチ(記憶で描く)~質感について p.60
 色彩 p.63

第9章複数のモチーフ p.64
 モチーフの選択~モチーフの構成 p.64
 ファインダーを使う~三角形の構図 p.65
 その他の構成~描く位置を変えないこと p.67
 教師への注意~明度の研究~明度の分析 p.68
 仕上げ~モチーフの変化~様式的、装飾的技法 p.71
 明暗のバランス~さらに進んだ練習~制作に適したモチーフ例 p.74

第10章構図の基礎原理 p.75
 なぜ原理を学ぶのか?~構図とは何か?~さまざまな目的 p.75
 題材の選択 p.76
 統一性~バランス~興味の中心 p.77
 明暗による強調~細部描写による強調 p.79
 コントラストによる強調 p.80

第11章写真をもとにして描く p.85
 写真を選ぶ~明度を研究する p.85
 ペンでの制作~単純な実地制作~その他の実地制作 p.88
 写真をトリミングする~写真を再構成する p.91

第12章他の画家の作品を研究する p.95
 模写の注意事項~模倣ではなく活用する p.95
 技法にとらわれずに見ること~初歩の誤り~両極端の画家―ローゼンバーグとブース p.96
 グリグスのトーンのコントロール~ペイソウトの繊細さ~ケントの剛直さ~ニールの空想的作品~フラナガンのくっきりした描写~技法の巨匠たち―ギブスン、フラッグ、グラント p.100
 ペンフィールドの黒の使い方~クラークの装飾性~バーチの自由な線描~コールの優美な線描 p.112

第13章戸外のスケッチ p.113
 ペンによる戸外制作~対象物をスケッチする p.113
 ファインダーの使用~構図~光線と最終的描写 p.118
 建築科の学生への忠告~戸外スケッチの実際的用途 p.123

第14章樹木とその他の風景画の要素 p.125
 樹木の研究の重要性~樹木の研究~対象物を選ぶ~対象物の分析~輪郭あるいはシルエット p.125
 明度 p.126
 適切な技法~投影に注意する~投影のフォルム~樹木の集まり p.127
 樹木の骨組みの研究~研究を進める~樹木の動き p.130

第15章建築物の細部描写 p.133
 建築家への一言~建物の細部の表現~石組を描く p.133
 煉瓦~化粧漆喰とコンクリート p.138
 下見板~こけら板~屋根~庇(ひさし)の表現 p.142
 煙突~投影描写 p.144
 窓 p.145
 ドア~その他の細部 p.146

第16章建築画の描法 p.147
 建築画の目的 p.147
 最初の完成予想図~予想図作成のプラン~光線の方向を決める p.149
 基調を決定する~明度差をとらえる p.150
 明度差の配置 p.151
 スケッチの最終チェック~ペン制作の技法 p.155

第17章建築物全体の描写 p.156
 明度の配置 p.156
 制作への応用 p.158
 他の作品を学ぶ~ローゼンバーグの手法の少なさ~ユーウェルのコントラストのための陰影~ルイスの複雑な線描~パワーズの自由自在な描法 p.160
 プライスの輝きのある暗いトーン~キーリーの目的を追う技法~建築学的原則にかなったベアーズの表現~ナルドとディーズの建物の強調~ロングの空気と日光の表現~ウィリアムスンの装飾的表現~マクスィーニーの紙の白~平面図の作成 p.166
 実在の建物の描写~住宅以外の建築物 p.181

第18章大建築物の問題 p.183
 立点の決定~目の高さ(地平線) p.183
 画面の計画を立てる p.188
 点景 p.189
 明暗のバランス~技法~ロックウッドの自由な作画 p.191
 キングの予備研究 p.195
 エピングハウゼンの様式的建物~グードヒューの複雑な建物~ウィルキンスンの精巧な建物~ペイソウトの細部の単純化~ボスワースとリングの細密な描写 p.203

第19章室内と家具の描写 p.205
 室内の各品目の研究~屋外と室内:光と影 p.205
 屋外と室内:付属物 p.208
 屋外と室内:材質感~屋外と室内:遠近法~家具調度類の描写~家具を組み合わせて描く~自然のトーン p.210
 興味のある部分の配置~立面図~ペンと薄塗り p.219

第20章特殊な描法 p.221
 ペンのかわりに筆を用いる~ペンと筆の併用~黒の使い方~穂先の割れた筆で描く p.221
 ドライ・ブラシ~ペンとグレーの薄塗り~ペンと鉛筆~スパッタリングと点描 p.224
 色彩を用いる~色インク~色インクによる制作 p.226
 用具の準備~色インクでの制作の手順~水彩絵具を使う~その他の彩色用材~色彩紙 p.227

ギャラリー p.229~p.252
収録作家名一覧 p.254~p.255

鉛筆で描く スケッチから細密描写まで
建物カット集1 ヨーロッパ・アジア
建物カット集2 ヨーロッパ・アメリカ

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