画力デッサン 人体と女の子

 立体的で動きのあるキャラクターを描くには、まず12歳の女の子を基本にして人体のデッサンから学んでいこうという、少女の描き方メインの教本です。

画力デッサン人体と女の子画力デッサン 人体と女の子

 正確な人物デッサンを描くには、骨格から学ぶべきです。そのためにはバスト-ウエスト-ヒップのラインがフラットな12歳前後の少女をモデルにして基本を覚えると、その他の体型にも応用が効きます。また、頭が大きく、お尻が小さい、アニメで主流のデフォルメキャラにも体形的に近く基準になるかと思う。

 「はじめに」では、鉛筆画材・線の引き方などのウォーミングアップ。

 第1章「まず記憶する」は、成人女性と少女のプロポーションの違いや、覚えておくと良いカラダのライン、描く上で便利な身体パーツの比率などを覚えます。

 2章「身体を立体でとらえる」は、人物を立体的に描くために、箱に入っている(3Dの三面図的なとらえ方)、大きな塊から削り出す(彫刻で人を彫る感じ)など、陰影をつけるために髪の毛まで面でとらえます。まるで3Dのフレームを作っているようなイメージです。

 3章「ムーヴマン」は、人体の動きや形の流れを描くために、正確な地面と重心、背骨・肩・腰~細かな指の関節まで、動きのあるポーズの解説になります。

 4章「記憶と想像で描く」は、映像で見たものを記憶をたよりに描く「印象クロッキー」の訓練から、アニメ的な動きのある作画、感情表現、印象的なパースなど多岐にわたる。少女のアニメーションを観ている様です。

 5章「印象で描く」は、リアル女性を女の子キャラクターに変換するテクニック。さらにデフォルメして怪物キャラやSDちびキャラまで造型します。6章「想像で描く」は、身近な生活用品からキャラクターを創造します。

画力デッサン 人体と女の子(グラフィック社)
画力デッサン 人体と女の子(梅田の画材屋 カワチのブログ)

 画材説明や線の引き方から入るので初心者向けかと思いきや、そこそこ人物デッサンをしてきた人に向けています。平面的な絵になる、動きのない絵、デッサンが狂う、バランスが変といった悩みを解消する解説が多く、ゼロからはじめる的な説明はありません。

 良くも悪くもアニメーターの絵です。巧くて動きがあって、どんなに崩してデフォルメしても、バランスがとれていて変に見えない。それは膨大な練習量あってのことと結論付けています。

 ここ1年で「ムーヴマン」の解説をしているデッサン本が3冊目。ちょっと難しい概念なので「やさしく」はないです。でも、マールちゃんが捕まっていたり、ダ・ヴィンチの黄金律のラインを真似たりと遊び心のある構成で楽しく読めます。ただ単純に、作例の大半が12歳の女子なので「少女の描き方」を目的にしても良いかと。

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ISBN-13: 9784766123159
▼目次(画力デッサン 人体と女の子
もくじ p.2
教えてくれる先生たち p.3

はじめに p.4
画材を用意しよう p.4
線の引きかた p.5
カゲの塗りかたとぼかしかた p.5
とりあえず描いてみよう p.6

1章 まず記憶する p.8
成人女性と少女の人体の違い p.10
プロポーション 身体のパーツの比率を覚えよう p.12
絶対に覚えておくライン p.14
同じキャラでもパーツの大きさが変わるとこれだけ変わる! p.22
胴体の相対的なルールとパーツの位置 p.24
胸・背中・腰の長さの相対的ルール p.28
手足の長さの相対的なルール p.30

2章 身体を立体でとらえる p.36
身体は箱に入っている!! p.38
身体を削り出してみる p.42
頭部は立体にマスクがついたもの p.56
髪の毛だって立体! p.58
瞳は球体の一部 p.60

3章 ムーヴマン p.62
重心とバランス p.64
角度がついても重心の線は地面と直角です p.66
まず地面が正しく描けているかも確認しよう p.67
背骨と肩と腰の動き p.68
身体全体の動き p.70
指の関節の動き p.74
脚の関節の動き p.76
遅れてくる動き…髪の毛 p.78
老いがあるからこそ少女は美しい p.80
少女と老女の身体の違い p.81

4章 記憶と想像で描く マンガやアニメの作画の基本 p.82
「印象を描きとめる」方法 p.82
基本的な動きを12歳の少女で覚えよう p.86
バストショットと手の動き p.102
雨と風の表現 p.108
水中と濡れた表現 p.111
シチュエーションによって、感情を効果的に見せる演出 p.112
心理描写と手の使い方 p.116
怯えた目と5つの恐怖表情の描きかた p.118
かわいいしぐさの研究 p.120
全身を使う喜びの表現 p.122
三角を使ったオーバーな表現 p.124
圧迫感・不安定な構図 p.126
不快感・不協和音の研究 p.128
スピード感の演出 p.130
印象を強めるスーパーパース p.134

5章 印象で描く 実在のモデルをデフォルメしたキャラ造型 p.136
印象デフォルメ p.138
印象を強めるための方法 p.140
ギャップ・デフォルメ p.142
一見マトモだけど何か変? p.148
SD系のデフォルメ p.150
崩しても気持ちのいいデフォルメ p.152

妄想ギャラリー p.154

6章 想像で描く 実在の事物からまったく別のイマジネーションを引き出す p.156
足し算の造型 p.158
引き算の造型 p.160
身近な風景の中にキャラクターが住んでいる p.162

おしまい! p.164
黒坂圭太(Wikipedia)の作品紹介:長編アニメーション「緑子/MIDORI-KO」 p.166
あとがき p.167
奥付 p.168

ジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI
人物デッサンの基本
人体のデッサン技法

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