ジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI

 ジャンプスクエアに連載されていた、中~上級者向け『人体デッサン』の研究書になります。

ジャンプSQ.マンガゼミナールジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI

 第1~6章がメインです。各章の始めにマンガ(8~10ページ)で興味を持たせ、テキストページで詳しく解説、作例ページでまとめて、コラムページが付きます。

 第1章「トラックとムーブマン」では全身キャラ作画の最重要ポイントと、到達して欲しい作画レベルを示している。

 2章「男女の描き分け」は、重心の違いからくる男女差(姿勢=ポーズ)を解説。3章「脚部の表現技術」は、重心が乗るベーシックレッグと、動きを魅せるショウレッグの説明と練習法です。

 4章「腕部の表現技術」は変化する腕の構造を平面パターン化して、上達するための描き方。5章「手と指の表現技術」は、とかく複雑な『手』をミトン(二股手袋)から始めて表現アップしていく練習法になります。

 6章「顔の角度と表現技術」では、頭部をキューブ型のアタリで始めることによって正面、斜め、アオリ、フカンといった人体パースの入った顔(頭部)を描くことが出来ると説いている。ほか、キャラより年齢差の描き分けが重要など、漫画キャラの顔についての研究があります。7章は、各テーマ毎の推薦・参考書の紹介です。

ジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI(マンゼミ)(すたじお ぱぐ)
9/2(金)発売試し読み|ジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI(集英社)

 多くの人物(キャラ)の描き方本が顔・頭部から教えるのに対して、全身・重心、もっと云えば『脚から描け』としている。急がば回れ的な講座の順番です。また描く以外の蘊蓄もたくさんあるので、読み物としても興味を惹きます。

 模写から入ると頭部から、顔の細かな表情から始めたくなりますが、それでは漫画家として最低ラインに上達するまでに壁がいくつもできる。腕が変、脚まで入れた全身が描けないなどなど・・・ムーブマンを入れた全身キャラ絵を到達目標にして、逆算した人体デッサンの描き方・練習法になるかと思う。

ジャンプSQ.マンガゼミナール中身01

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ISBN-13: 9784087823882
▼目次(ジャンプSQ.マンガゼミナール MANZEMI
第0章 プロローグ
マンガ「マンガの文法」 p.2
少し長いまえがき…というか言い訳:喜多野土竜 p.8
もくじ p.14
登場人物紹介 p.16

第1章 マンガ「トラックとムーブマン」 p.17
マンガの文法はまだ確立されていない p.28
解説◆はじめに/彫刻に学ぶ/バランスと連鎖/重心とバランス/ヒップ・トラック/ショルダー・トラック/バランスの根本/マンガ以外に学ぶ/ムーブマンとは?/芸術の連続性/マンガとデフォルメ/理論よりも情熱を
作画例◆トラックとムーブマンの作画例1~2 p.40
コラム◆強いて勉めず学びて問う p.44

第2章 マンガ「男女の描き分け」 p.45
表層に留まらない男女の描き分け理論 p.54
解説◆男女の描き分け視点/男性の重心/女性の重心/男性的・女性的/本質を見抜くセンス/爪先着地・踵着地/対角螺旋運動と斜対歩/格闘技の世界に学ぶ/歩行姿勢の文化差/姿勢と重心の類例/知識と実践の差/遺題として
作画例◆男女の重心差の作画例1~3 p.66
コラム◆日本文化のクセとは? p.72

第3章 マンガ「脚部の表現技術」 p.73
右脚・左脚よりも重要な表現の視点 p.82
解説◆デッサンの攻略/バレエに学ぶ/ベーシック・レッグ/ショウ・レッグ/デッサンを学ぶ順番/概略正しいが大事/ギャグ絵は簡単か?/キャラクターの意味/骨と筋肉の意識/階段はひとつずつ登ろう
作画例◆ベーシック・レッグとショウ・レッグ1~3 p.92
コラム◆生活の背後に潜む文化 p.98

第4章 マンガ「腕部の表現技術」 p.99
千変万化する腕の表現を分解する p.110
解説◆脚から腕へ/デッサン作例の模写/アタリ・下書き・ペン入れ/身体のパーツの優先順位/イメージする力/観察と実践/臨書と反復練習/イメージを広げる/比率の危険性/秘伝極意は意外な場所に
作画例◆腕の構造と表現の作画例1~3 p.120
コラム◆徒然草に学ぶ失敗学 p.126

第5章 マンガ「手と指の表現技術」 p.127
避けては通れない手と指の表現を攻略 p.136
解説◆手は曲線のカタマリ/手を描く難しさ/ミトンから始める/親指の可動域とデッサン/指を曲げる/ミトンからの分離独立/描き分けのテクニック/擬人化を支える技術
作画例◆手の構造と表現の作画例1~4 p.144
コラム◆土竜のパラドックス p.152

第6章 マンガ「顔の角度と表現技術」 p.153
顔を描くその前に知っておくべきコト p.164
解説◆生首マンガの危険/5W1Hと表現力/顔の補助線/四角輪郭法/顔の角度の描き分け/仰角と俯角/平面と立体の関係/連鎖する技術と展開/描き分けの優先順位/年齢差の描き分け
作画例◆顔の表現と仰角&俯角の作画例1~3 p.174
コラム◆マンガの神様と文法 p.180

第7章 オマケのページ p.181
参考図書と推薦図書の紹介&解説ページ1~2 p.182
あとがき:斉藤むねお profile p.186
:喜多野土竜(きたのもぐら)studio PUG p.188
マンガ「エピローグ」 p.190
奥付/装幀:福島トオル(Smile Studio) p.192

人物デッサンの基本
快描教室プラス+
人体のデッサン技法

▼コメント
ゴーストさん 2014/03/12 17:16 編集
尼ゾンで満点評価してるやつらサクラ業者過ぎてバレバレwww
自作自演広告は分かりやすい
喜多野土竜さん URL 2011/10/05 16:59 編集
丁寧で的確なレビュー、ありがとうございます。
このままAmazonのレビューに使いたいぐらいです。

本書は人体デッサンの基礎という点に特化した内容ですが、同時に背景デッサンやマンガ表現や演出とも連動した本作りを想定しています。独立した本としても楽しめますが、背景デッサン編と併せて体系付けられていますので、なんとか2冊目が発売できるようがんばりますm(_ _)m
さなだむし 2011/10/06 22:36
著作者様からのコメント、ありがとうございます。

やはり「人体デッサン編」が副題というところでしょうか。
強烈な引きで締めくくっているので、次巻「背景デッサン編」も楽しみに待っています。
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