背景イラストの描き方 アナログ編
アニメーション美術の背景画から、各種アナログ画材の紹介まで特集した、背景イラストの描き方「アナログ編」です。
背景イラストの描き方 アナログ編 様々な画材と技が産み出す、温かみのある風景
巻頭は「天空の城ラピュタ」「時をかける少女」などの美術監督をつとめた「山本二三」特集。インタビューは『アナログ×デジタル背景画の違いや、描き手が行き来すると出る差』『一枚絵で世界観や物語も表現するコンセプチュアルアートの重要性』。メイキングは美術設定色塗り、地塗り、ラピュタ雲、宇宙(大星雲)の描き方です。
第1章「パースの基本」は、漫画家で大学講師の夢野れい先生による某パース!マンガ風の解説で、1・2・3点透視図法からのパース塾になります。
2章「静物デッサンの基本」は、美術の授業のような、鉛筆による静物画デッサンです。練習素材は6種。
3章「イラスト資料用写真の撮り方」は、背景イラストレーターふぉ~ど氏による、背景用資料写真の撮影法について。3ページしかありません。
4章・5章は画材別のメイキングです。水性アクリル(りりんら)、透明水彩絵の具(efira)、カラーインク(宮部サチ)、パステル/コピック/水彩色鉛筆(松成久美子)が担当しています。
■背景イラストの描き方 アナログ編(誠文堂新光社)
好評だったデジタル編を受けてのアナログ編なのですが、なんともバランスの悪い、中途半端な内容になっている。巻頭の「山本二三特集」が全ページの約3分の1を占めます。せっかくのメイキングも序盤の地塗りから、いきなり完成画になってしまい、素人の手に負えるレベルではありません。
本来デジタル編の対になるであろう、アナログ画材のメイキングは4、5章で60ページもない。もっと風景画の題材に適した画材を中心にして質感テクニックなど・・・角川ニュータイプのHOWtoARTみたいのを期待していたけど・・・
とはいえ、構成が雑誌の延長でチグハグになっているだけで、個々の作例担当者は能く、使えるテクニックや拾える情報もあります。個人的には背景用資料写真の解説です。ただ、背景に適する構図や望遠の奥行き圧縮についても、もっと説明して欲しかった。
ISBN-13: 9784416212516
▼目次{背景イラストの描き方 アナログ編(コミックス・ドロウイングブック No.05)}
もくじ p.2
Illustration Gallery 6作品 p.3-9
山本二三インタビュー&メイキング p.10
[山本二三]
山本二三スペシャルインタビュー p.12
『時をかける少女』美術設定ギャラリー p.14
美術設定色塗りメイキング p.18
地塗り p.21
壁を塗る p.26
『時をかける少女』背景画ギャラリー p.29
雲の描き方(アニメーションノート NO.5の記事を再編集) p.32
宇宙の描き方 p.34
「コンセプチュアルアート」の重要性 p.40
『ミヨリの森』イメージボードギャラリー p.44
Chapter 01 背景イラストを描くためのパースの基本 p.47
パースをマスターして、自然で魅力的な背景イラストを描く p.48
[夢野れい]pixiv
Chapter 02 静物デッサンの基本 p.61
背景を描くための基本、デッサンを学ぶ p.62
練習用素材 p.81
Chapter 03 イラスト資料用写真の撮り方 p.85
資料用の写真を撮る p.86
[ふぉ~ど]pixiv
Chapter 04 画材別・着彩メイキング p.89
水性アクリル絵の具1 p.90
水性アクリル絵の具2 p.102
[りりんら]pixiv
透明水彩絵の具 p.110
[efira]pixiv
カラーインク p.120
[宮部サチ]pixiv
Chapter 05 その他のアナログ画材の使い方 p.131
[画材1]パステル(ソフト、ハード) p.132
[画材2]コピック(コピックスケッチ、コピックチャオ) p.136
[画材3]水彩色鉛筆 p.140
[松成久美子]pixiv
作家プロフィール p.143
奥付 p.144