マスターショット100
映画の一場面を演出にそって撮影するカメラワーク。その基本パターンを実際の映画からサンプルとして100通り抜き出し解説したカメラワークのネタ帳です。
映画のワンシーンをシチュエーションごと(登場・退場、会話、格闘、ラブシーンなど)に12分類し、よくあるパターン7~10ショットを詳しく図説する。合計100ショットの解説になります。
2ページで1ショットの解説です。左ページがテキストで、撮影の意図や表現・演出について、レンズの効果や技術的な注意点なども指導しています。
右ページは、映画からのサンプルショットと、演者・カメラの位置関係を簡単に示した図と応用例の3D映像になる。構図が判りやすい様に、全てモノクロです。
3D画像は人物をPoser7で、応用例の背景付きがVue Infiniteで作成し、矢印はPhotoshopで描き加えている。白矢印はカメラの動きを、黒矢印は演者の動きを示しています。
■マスターショット100低予算映画を大作に変える撮影術(FILM ART フィルムアート社)
「低予算映画を大作に変える撮影術」という副題は、クレーンやレールなどの撮影機材がなくても、アングルを工夫したり、広角・望遠レンズを効果として使ったりして、巧く表現しましょうということです。
映像表現の基礎、特に演者(キャラクター)の動きを画面に落とし込む基本は映画にあります。撮影機材の制約がないアニメや漫画でも、平凡なシーンは基本に沿っている。
あまり奇を衒うショットで画面が揺れまくって気持ち悪くなるよりは、基本から少し工夫して+α程度が~流のオリジナル性になっていくと思います。
ISBN-13: 9784845911653
▼目次(マスターショット100 低予算映画を大作に変える撮影術)
もくじ p.3-9
はじめに:クリストファー・ケンワーシー p.10-12
画像について 本書の使い方 p.13
CHAPTER1 FIGHT SCENES 格闘する p.15
アクションを望遠レンズでとらえる/ロングレンズ・スタント p.16
決定的なパンチ/スピード・パンチ p.18
モーションを合わせる/マッチング・モーション p.20
殴り倒す/ノックダウン p.22
当たる瞬間に切り替える/カッティング・フォー・インパクト p.24
地を這う格闘/ダウン・オン・ザ・フロア p.26
暴力的行為を画面には映さない/オフスクリーン・バイオレンス p.28
敗北の瞬間/モーメント・オブ・ディフィート p.30
CHAPTER2 CHASE SCENES 追跡する/逃走する p.33
カメラが伴走して被写体を追う/トラベル・ウィズ・サブジェクト p.34
望遠レンズでパンする/ロングレンズ・パン p.36
狭い空間を通過する/パッシング・スルー・タイト・スペース p.38
広い空間での逃走/スルー・オープンスペース p.40
逃走中のサプライズ/サプライズ・アロング・ザ・ウェイ p.42
見えざる追撃者/アンシーン・アタッカー p.44
迫りくる追撃者/クロージング・アタッカー p.46
ありえないようなスピード・アップ/アンフェア・スピード・ゲイン p.48
もう少しで逃げおおせそうな場面/オルモースト・ゼア p.50
足元で躍動感を出す/フットワーク p.52
CHAPTER3 ENTRANCES & EXITS 登場する/退場する p.55
登場人物のすり替わり/キャラクター・スイッチ p.56
バックグラウンドがベールを脱ぐ/バックグラウンド・リビール p.58
振り向く/ターン・イン p.60
障壁の背後から登場する/オブジェクト・リヴェレーション p.62
窓への「寄り」/ウィンドウ・プッシュ p.64
同ショットで2シーンをつなげる/シーン・スワップ p.66
パンをしながら移動して見送る/ペンドラム・パン p.68
方向転換/ダイレクション・シフト p.70
CHAPTER4 SUSPENSE, SEARCHING & CREEPING スリル/潜入/探査 p.73
ドリーでかすかなカメラ移動/サトル・ドリー p.74
目に見えないもの/アンシーン p.76
不安を隠さない動き/アンティシペイティング・モーション p.78
なにもない空間への「寄り」/プッシュ・オン・ナッシング p.80
空間を広げる/ワイドニング・スペース p.82
2つのショットが一気に交錯する/トゥー・シングス・アット・ワンス p.84
主人公とともに手がかりを探す/トレース・アンド・クルー p.86
緊迫感を生む歩み/ステップ・トゥ・サスペンス p.88
視覚的な危機/ビジュアル・デンジャー p.90
CHAPTER5 DRAMATIC SHIFT ドラマティックな変化 p.93
急な「寄り」/フォーカス・イン p.94
劇的瞬間/モーメント・オブ・ドラマ p.96
パンをしながらのスライド移動/パン・アンド・スライド p.98
背景を操作する/ワーキング・バックグラウンド p.100
人物とすれ違う瞬間の反転/ピボット・オン・キャラクター p.102
あらゆる方向へのリバース・ショット/リバース・オール・ダイレクション p.104
ドリーで後退する/バックワーズ・ドリー p.106
静止を強調する/アンダーライニング・スティルネス p.108
同時モーション/シミュルテニアス・モーション p.110
CHAPTER6 REVELATIONS & DISCOVERIES 新事実/新発見 p.113
鏡のドア/ミラー・ドア p.114
カーテンが両側に開かれるように/セパレーティング p.116
群衆の中のディテール/ディテール・イン・ザ・クラウド p.118
影から現れる/アウト・オブ・シャドウ p.120
カメラを引いて新事実を開示/プルアウト・リビール p.122
平行での軌跡/パラレル・トラック p.124
動き続ける/ムービング・オン p.126
目線の変化/アイライン・チェインジ p.128
視点をスライドさせる/アイ・スライド p.130
CHAPTER7 SHOCK HORROR ショック/ホラー p.133
テンションを高める/ビルディング・テンション p.134
別方向に注目させてからのショック/ミスダイレクション・フォー・ショック p.136
登場人物を恐くみせる/フィアリング・キャラクター p.138
場所を恐ろしくみせる/フィアリング・プレイス p.140
広い空間/ワイド・スペース p.142
ビジュアルによる衝撃/ビジュアル・ショック p.144
心変わり/チェインジ・オブ・マインド p.146
隠れている攻撃者/シールディング・アタッカー p.148
恐怖の窓/ウィンドウ・オブ・フィア p.150
CHAPTER8 DIRECTING ATTENTION 注目を集める p.153
物体を使って導く/オブジェクト・ガイド p.154
交錯するモーション/ハンディング・オフ・モーション p.156
カメラの方向転換/チェインジ・オブ・ダイレクション p.158
反射/リフレクション p.160
カメラが動きを止める地点/レスト・ポイント p.162
色彩の効果/カラー・ガイド p.164
反対方向からのアングル/リバース・アングル p.166
CHAPTER9 CAR SCENES カーチェイス p.169
フロントシートから撮る/フロントシート・シューティング p.170
後部座席から撮る/バックシート・シューティング p.172
車内での会話/カー・ダイアログ p.174
駐車された車/パーキング・カー p.176
車から出る/リービング・ザ・カー p.178
車と並行して歩く人物/カー・ウォーク p.180
窓越しの撮影/シューティング・スルー・ウィンドウ p.182
CHAPTER10 DIALOGUE SCENES 会話する p.185
会話シーンをドリーで寄りながら撮る/カンバセーション・ドリー p.186
背景をずらす/オフセット・バックグラウンド p.188
2人の人物を同一画面に収める/シェア・スクリーン p.190
隣り合って並ぶ/サイド・バイ・サイド p.192
それぞれの違う高さから人物をとらえる/ハイト・チェインジ p.194
計算された視線/ステージド・グランス p.196
鏡を通して見つめ合う/ミラー・トーク p.198
感情の起伏に合わせたカメラ移動/ムーブ・ウィズ・ザ・ビート p.200
CHAPTER11 ARGUMENTS & CONFLICT 口論する/対峙する p.203
円を描くように回る/サークリング p.204
カメラが演者に詰め寄る/アタッキング・カメラ p.206
守勢にまわったカメラ/ディフェンシブ・カメラ p.208
カメラに詰め寄る/ランジング・アット・カメラ p.210
怒りの動作/モーション・イン・アンガー p.212
身体で反発心を表す/ボディ・コンフリクト p.214
肩越しに振り返る/バック・オーバー・ショルダー p.216
演者が交差する動き/クリスクロッシング p.218
CHAPTER12 LOVE & SEX SCENES キスシーン/ベッドシーン p.221
視線を交わす/アイ・コンタクト p.222
初キスの場面/ファースト・コンタクト p.224
キスのアングル/キス・アングル p.226
2人が倒れ込む/ゲッティング・ダウン p.228
顔だけでセックスシーンを表現する/アウト・オブ・ボディ p.230
計算された顔の角度で撮影する/フェイシング・アップ p.232
肌が触れ合った瞬間/モーメント・オブ・コネクション p.234
ディテールの世界を見せる/ワールド・オブ・ディテール p.236
最期に p.238
訳者あとがき:吉田俊太郎 p.240
各テクニックのの実例として使われた映画作品
ファイト・クラブ/パンチドランク・ラブ/13日の金曜日 PART2/マイノリティ・リポート/完全犯罪クラブ/アメリ/グリーン・デスティニー/橋の上の娘/ブレードランナー/シャイニング/狼の時刻/ロスト・イン・トランスレーション/ふたりのベロニカ/スターリングラード/エターナル・サンシャイン/ロマンスX/愛を弾く女/ほか多数 p.242
用語解説 p.246
著者略歴 p.247
奥付 p.248
◆マスターショット2 ダイアローグ編
◆アニメ作画のきほん キャラクター&メカ
◆アニメーションがつくれる 絵コンテ入門