マスターショット2 ダイアローグ編

 映画のカメラワークをシーンごとに分類し、100パターン解説した「マスターショット100」の第2弾です。今回は「会話シーン」に特化して100通りのショットを解説する。

マスターショット2ダイアローグ編マスターショット2 ダイアローグ編

 前著「マスターショット100」が好評で、その中でも要望の多かった会話・対話シーンについて研究し直しています。

 会話シーンに絞って100通りのショットを映画から抜き出し、人物の置かれている心理状態や力関係・行動によって11のシチュエーションに分類し、計100通り図説している。

 2ページで1ショットの解説は前著と同じです。左ページがショットの説明文、右ページはそのショットが使われている映画からのカットと、カメラ・演者の位置関係を示した図、Poser8で簡略に画面構成した3D画像の応用例を示しています。


マスターショット2[ダイアローグ編]映画に生命を吹き込む会話シーンの撮影術(FILM ART フィルムアート社)

 映画に限らずマンガやアニメでも登場人物(キャラクター)の会話シーンのない作品はないかと思います。「映像で説明して出来るだけ減らせ」とは云われているけど、会話シーンはどうしても要る。

 で、会話シーンになると『アングル/リバース・アングル』(向かい合ったキャラの顔を交互に写したカットで成り立つショット)が多くなる。巨費を投じた大作映画でも(俳優の顔を重視したり)、ショットに工夫を凝らす監督でも(煮詰まって最終的にそこに落ち着くことも)あるそうです。

 そこで、どんな作品にでもある「会話シーン」をちょっとでも違ったショットで撮ることが出来れば、よくあるシーンだからこそ印象は変るはず。その工夫の手助けとなるカメラワークのネタ帳となります。

マスターショット2ダイアローグ編中身01

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ISBN-13: 9784845912858
▼目次(マスターショット2 [ダイアローグ編]
もくじ p.3-9
はじめに:クリストファー・ケンワーシー p.10-13
画像について 本書の使い方 p.15

CHAPTER1 CONFLICT 対峙する/対立する p.17
威圧的に迫る/パワー・ムーブ p.18
出入口を利用する/ドアウェイ p.20
疎外感を描く/オフセット・グループ p.22
方向感覚を混乱させる/クロッシング・ライン p.24
障害物を使う/バリア p.26
左右の入れ替え/サイド・スイッチ p.28
突然振り向いて対峙する/スナップ・ターン p.30
躍動的な動きから静止ショットへ/スイング・トゥ・カット p.32
空間の奥行きをしっかりと描く/ディープ・ステージング p.34
権力の綱引き/パワー・ストラグル p.36

CHAPTER2 INCREASING TENSION 高まる緊張感 p.39
弧を描くように移動する/サークリング・ダイアログ p.40
歩み寄る2人/クロージング・スペース p.42
高さの誇張/エキサジュレーテッド・ハイト p.44
ドラマティックにカメラを振る/ドラマティック・スイング p.46
秘密の会話/クランデスティン p.48
違和感を生むフレーミング/フレーム・シェア p.50
片方の話者だけに寄る/フォーカス・オン・ワン p.52
高低で優劣勢を表現する/レベル・チェインジ p.54
息詰まる閉所感/クロストロフォービック・スペース p.56
歩き回る主人公/トラック・キャラクター p.58

CHAPTER3 POWER STRUGGLES 主導権争い p.61
事実に圧倒される/ディスオリエンテッド p.62
戸口での駆け引き/ドアウェイ・アングル p.64
配置の入れ替え/アングル・エクスチェインジ p.66
2つの世界の境界/スレショールド p.68
前方と後方の空間/スペース・リバース p.70
追いすがる/キャラクター・チェイス p.72
劣勢に立った横顔/サイド・オン p.74

CHAPTER4 GROUP CONVERSATION 多人数で会話する p.77
アングルで位置関係を知らせる/アングル・アンカー p.78
目線で位置関係を知らせる/アイライン・アンカー p.80
3人の会話を1ショットで撮る/グループ・ピボット p.82
中央で窮屈な主人公/セントラル・キャラクター p.84
一列に並ぶ/アロング・ザ・ライン p.86
一列に並んで遠方に目を向ける/ライン・オブ・スリー p.88
2人の話者を中心に全体を映す/セントラル・ライン p.90
泰然さを強調する/ソリッド・カメラ p.92
テーブルを囲んだ多人数の会話/ラウンド・テーブル p.94
1ショットで描き切る/エキスパンディング・グループ p.96

CHAPTER5 CONNECTING CHARACTERS 心が触れ合う p.99
望遠レンズで空間を演出する/ロングレンズ・スペース p.100
障害物を設置する/オブストラクション p.102
カメラに背を向ける/フェイシング・アウェイ p.104
正面から向き合う/アングルド・プッシュ p.106
相手に背を向けて動き回る/バック・トゥ・キャラクター p.108
ダンスをしながら会話する/ダンス・ムーブ p.110
のけ者/アウトサイダー p.112
空間の可能性を探る/プレイング・ウィズ・スペース p.114
歩調に合わせたカメラ移動/ペーシング p.116
長いスピーチ/パラレル・スピーチ p.118

CHAPTER6 REVEALING PLOT 新展開 p.121
高さを変化させる/シフティング・レベル p.122
身を寄せ合う2人/クローズ・カット p.124
逆アングルへのジャンプ・カット/ハード・リバース p.126
正面から側面、再び正面へ/フェイス・トゥ・フェイス p.128
横たわる人物を上から撮る/フェイス・アップ p.130
画面を横切る/バックグラウンド・スイッチ p.132
目に見えない境界線/インビジブル・バリア p.134
目を合わさない/ノー・コンタクト p.136
奥へ移動して表情を見せる/シフト・トゥ・バックグラウンド p.138
パンで両者を交互にとらえる/スウィング・パン p.140

CHAPTER7 WALKING AND TALKING 歩きながら会話する p.143
階段を下りる/スパイラル・ダウン p.144
勢いよくすれ違う/ラッシュ・パスト p.146
カメラ方向に顔を見せる/ファインディング・ザ・レンズ p.148
歩く3人を前後から見せる/バック・トゥ・カメラ p.150
お互いへの興味が深まる/ミューチュアル・インタレスト p.152
空虚を見つめる/オープン・スペース p.154
追う/フォローイング p.156
斜めに移動する/オフセット・ウォーク p.158
180度パンから弧を描いて移動/リピーテッド・スウィング p.160
1人の動きに呼応した移動/テザード・カメラ p.162

CHAPTER8 INTENSE EMOTIONS 高ぶる感情 p.165
動き回りながらの口論/アーギュメント・イン・モーション p.166
衝撃に固まる/フリーズ・リヴィール p.168
微妙な心の乖離/ホーミング・イン p.170
距離感を操る/ミックス・ディスタンス p.172
クローズアップから状況説明につなぐ/ムービング・アウト p.174
カメラ移動に合わせて身体をひねる/ターン・ウィズ・ムーブ p.176

CHAPTER9 INTIMACY 親密感 p.179
「寄り」で親密感をとらえる/プッシュ・トゥ・トーク p.180
接近した顔/クローズ・フェイス p.182
カメラ移動に合わせて寝返る/ヘッド・トゥ・ヘッド p.184
上昇して見下ろす/レイズド・カメラ p.186
弧を描いてから寄る/アーク・アンド・プッシュ p.188
ささやき声/ウィスパー p.190
2種類のツーショット/パーシャル・アングル p.192
画面外のなにかに注目する2人/アウター・フォーカス p.194
ローアングルで狭い空間を描く/ロー・アンド・クローズ p.196
2種類の切り返しとクローズアップ/カップル・アングル p.198
小道具を有効利用する/オブジェクト・ヒンジ p.200

CHAPTER10 LONG DISTANCE 電話のシーン p.203
1人で電話をかける/ソロ・ムーブ p.204
背後から見守る/リモート・オブザーバー p.206
両者のコントラスト/コントラスト・モーション p.208
場所の状況を見せる/センス・オブ・ロケーション p.210
壁に向かって振り返る/ウォール・ターン p.212

CHAPTER11 CREATIVE STAGING 創造的なステージング p.215
身体の向きを互い違いにする/リバース・ボディ p.216
ショックを受けた表情を隠す/モーション・エクスチェインジ p.218
カメラを後退移動する/トラックバック p.220
角度をつけて向かい合う/オフセット・アングル p.222
別々の部屋/ディファレント・ルーム p.224
距離を保ったまま横移動する/ディスタント・スライド p.226
意外なリバース・ショット/フラット・リバース p.228
動き続ける/ムーブ・スルー・シーン p.230
人物が退いてその先を見せる/キャラクター・リヴィール p.232
2人の間にカメラが分け入る/プッシュ・ビトゥイン p.234
心の溝を埋める/クロージング・ザ・ギャップ p.236

最期に p.238
訳者あとがき:吉田俊太郎 p.240
各テクニックの実例として使われた映画作品
パイレーツ・オブ・カビリアン/E.T./A.I./スター・トレック/オーシャンズ11/ターミネーター4/アビス/ロスト・イン・トランスレーション/グラム/メリンダとメリンダ/ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間/ミュンヘン/イングロリアス・バスターズ/ゴーストワールド/バレエ・カンパニー/マグノリア/トリコロール 青の愛/恋愛睡眠のすすめ/JUNO/あの頃ペニー・レインと/フルメタル・ジャケット/フォブール・サ・ドニ(パリ・ジュテーム)/ティファニーで朝食を/映画に愛をこめて アメリカの夜/ほか多数 p.242
用語解説 p.246
著者略歴 p.247
奥付 p.248

マスターショット100
アニメーションがつくれる 絵コンテ入門

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