精霊の守り人
■精霊の守り人(公式サイト)
神山健治(攻殻機動隊監督)ということで期待度の高い作品。日本を含めたアジアっぽい異世界ファンタジー。女用心棒のバルサが父帝に狙われる第二皇子チャグムを守ることが物語の機軸になっています。
L’Arc en Ciel(ラルク アン シエル)の歌に乗ってはじまる美しいOP、日本の原風景とリアルで丁寧な作画は期待どおりの映像です。しかし、6話おわった時点で波に乗れていない印象をもちます。
■対話がアニメを作り出す~監督 神山健治(NHKにんげんドキュメント)(★究極映像研究所★より):番組が終了してNHKのページはありませんが、にんげんドキュメントで「精霊の守り人」のメイキングがありました。神山監督に焦点をあて脚本・シナリオを討論でどう決めるかや、絵コンテの制作シーンが観れるなど番組宣伝ではない貴重なメイキング映像になっています。
■精霊の守り人>設定資料集(Production I.G)
その中で「精霊の守り人」全26話の原作とオリジナルの振り分けがありました。
1話 P 6- 35
2話 P 36- 68
3話 P 68- 94
4話 P 94-108
5話 P110-148
6話 P116-122, 149-165
7-18話オリジナル
19話 P166-184
20話 P186
21話 -P201
22話オリジナル
23話 P211-248
24話 P202-210
25話 P248-289
26話 P290-325
6話まで原作どおり。昨今のTVアニメがひしめき合っている状態では、3話くらいまでに落とす必要がある。視聴を継続させるには縦糸になるものを見せないといけない。攻殻でいえば「笑い男」であり「個別の11人」なのですが「精霊の守り人」ではよく見えない。ほんとは、チャグムにとり憑いた「水の精霊」は災いどころか皇国を救うもののようですがトロガイの「わからん!」で片づけられてしまった。
シナリオの教則本でも主役キャラの「目標目的」の重要性を説いている。バルサは8人の命を救うために用心棒をしてるけど具体的なことは6話おわっても不明。チャグムは父帝に命狙われていても悲観するふうでもなく逃げているだけ。長編の原作では壮大なことを創めそうですが、今はそれも不明。
バルサが30歳女性ということで、どの辺の人達を狙っているのか透けて見えます。でも彼女たちは「攻殻機動隊の○○」がウリのアニメを観るのだろうか?にんげんドキュメントでも脚本家は皆男性のようですし、分析はできても共感をよぶシーンができるのだろうか?7~18話オリジナル部分の盛り上げが脚本チームの腕のみせどころです。楽しめることと期待します。