オタク女子研究 腐女子思想大系
最近、中学生日記が取り上げたりして一般の認識が高まっている「腐女子」についての本です。タイトルに「研究」「思想大系」とありますが、基本的に腐女子である著者とそのお友達(Mちゃん以下数人)、「AERA」の取材での情報、森永卓郎や本田透らの著作や言動からの引用を方向性もなく連ねた感じがします。
それでも、腐女子の生態の一部が紹介され、腐女子の徹底したステルス行動や東池袋のサンシャイン前が腐女子ロードになっているとか「レディースコミック」と「ボーイズラブ」の嗜好の違いとか解って面白い文章ではあります。ただ、30代の腐女子は美人ではないけどイイ子が多く処女率も高いからオタクの皆さんどうですか?ってベクトルがあって変です。「AERA」読者を意識しているのかも知れません。
本当は「電波男」の腐女子バージョンを目指したいのか?とも思える書き方をしてますが「恋愛資本主義を暴き、妄想力を高めて脳内で一生暮らしましょう」というようなキツイ主張はありません。そのかわり同族から総攻撃を受けるという、本の内容よりも面白い事態になっているようです。
■杉浦由美子「オタク女子研究 腐女子思想大系」まとめ@801:まとめサイト
■杉浦由美子『オタク女子研究』 (紙屋研究所の案内図):レビュー
腐女子について大規模なアンケート調査や統計はないと思うが、その数はかなりいると感じています。ジャンプの主な読者(7割?)が女性で、一般書店のコミック売上ベストテンの内8~9冊は常に女性の購入によって支えられている。男性オタクよりちょっと多いどころか数倍はいるのでは?と思えるほどです。でも外見では判らないように擬態しているわけで・・・
男性オタクは26~35歳くらいに大きな団塊があって若いのはほとんど育ってないそうです。で、女性オタクも30代に塊があるようだけど、中高生で爆発的に増えているようだ。原因は定かではないけど、最初から恋愛資本主義の市場に入るのを拒否しているとも考えられる。彼女たちがこのまま腐女子として定着し、働くようになったら市場は一変するかもしれない。深夜アニメも美少女ゲームもBL一色に染まったりして・・・