ダイナミックコミック講座 人物を描く
人物画に奥行きを持たせ、筋肉を理解した動きのある肉体を描くためのデッサン講座本。
人物にもパースがあり、奥行き圧縮が必要なことは解っていてもなかなかできない。それが正面からの楽なポーズに逃げてしまう理由としています。この本は立体的な動きのあるポーズの描き方を徹底的に解説してくれる。それには骨格だけでなく筋肉の働きの知識も必要です。例え隠れて見えなくとも筋肉は連続して作用し、体のラインに出てきます。それを想像して描かなければなりません。
作例はハゲのマッチョな男性がほとんどです。講座の趣旨からすれば当然な絵柄でしょうが、癖のあることも確かです。それと基礎的な人体の骨格と、パースの知識がないと、取っ掛かりさえつかむのが難しいレベルになります。
どの角度からでも、どんなポーズでも、奥行きのある人物画が描けることを目的にした講座です。しかし、このモコモコの筋肉はどうでしょう。日本の漫画・アニメの絵柄は、この筋肉をそぎ落として省略することによって簡単に描け、生産性を上げてきた歴史があります。ここまでの画力が必要かどうかは獲得したい絵柄によるので、そこは切り分けて学んだ方が好いでしょう。とにかく、絵描きとして最上位を目指す人向けの講座かと思います。
ISBN-13: 9784871990622
▼目次(ダイナミックコミック講座 人物を描く)
もくじ p.5
はじめに p.7
第1章人体の基本的フォルム p.9
人体の外形とマッス p.9
頭部のマッス(ボールとくさび形) p.9
“樽”形の胸部 p.12
骨盤の“台形ボックス” p.21
腕と脚の円筒形のフォルム p.26
手と足のくさび形のマッス p.37
第2章奥行きのある人物描写 p.45
胴体が第一 p.45
脚は二番目に重要 p.48
腕の重要度は三番目 p.55
頭部は最後に p.59
順序どおりに描く練習 p.61
第3章人物の統一、フォルム相互の結合 p.65
重なり合うフォルム p.65
フォルムの流れと統一 p.68
結合線 p.68
外郭線と輪郭 p.95
トーンのグラデーション p.100
第4章人物の創造、フォルムのサイズ p.105
円筒形と“樽”のフォルム p.105
合理的な円筒形 p.105
不変要素を見つける p.107
楕円の幅は不変の要素 p.107
腕 p.115
手 p.120
関節 p.127
第5章遠近法による長さの調整 p.135
空間のなかの円は楕円 p.135
旋回軸となる関節 p.136
二等辺三角形を使う p.144
第6章人体の空間への投影 p.151
固形物の平行な投影 p.152
動きのある人物の空間への投影 p.154
リバーサル投影法 p.156
遠近法による投影 p.159
投影によるマルチアクション p.165
顎が示す体の動き p.168
手の連続的な投影 p.174
最後に p.175
奥付 p.176
◆リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座
◆An Atlas of Anatomy for Artists
◆やさしい美術解剖図