美少女スーパートーンテクニック
萩原一至(BASTARD!!)や美樹本晴彦(マクロス7 TRASH)のアシスタントをしていた小山雲鶴(作家名:みすずみ俊明)のトーンテクニック集。
道具の選び方から始まるトーンワークの教則本。アナログのものですが、コミスタで使うデジタルトーンも原則は同じ使い方になります。以前、紹介した「スクリーントーン百科」が劇画調の背景メインのトーンテクニック集とすれば「美少女スーパートーンテクニック」は少年漫画調のキャラと効果メインのトーンテクニック集です。
やっぱり「BASTARD!!」はすごい。ストーリーはさっぱり解らなくなっても作画、特にトーン技術は最高レベルのまま、ずっと維持している。そのトーン技術の一部が所々に講座として出ているので参考になる。
まつもと泉とそのアシスタントたちによって始まったスクリーントーンを貼りまくる「トーンバリバリ」の一時代。トーンの使い方は「きまぐれオレンジロード」から進歩し始め、「BASTARD!!」で頂点を極めたと思う。萩原一至が何かのインタビューで「もう白黒マンガの限界にきて、表現として行き詰った」みたいな事を述べていたと記憶します。まつもと泉系列の漫画家はアシスタントのときからトーンテクニックなどをマニュアル化して蓄積していったそうで、おそらく「美少女スーパートーンテクニック」はその一部なんだと想像する。
そして漫画もデジタル化の時代。デジタルトーンの利点はスクリーントーン代がかからないこと。貼っても貼らなくても製作コストは同じ。アナログのようにお金がかかるからとか、技術が身に付かないからという話はなくなる。アナログのトーンテクニックをデジタルに移行し、はやくデジタルならではのトーンテクニックが蓄積される時代になるといいな。
▼目次(美少女スーパートーンテクニック)
トーンワークで差がつく美少女キャラ! p.2
■第1章トーンワークの基本 p.5
トーンの種類 p.6
道具選び p.8
トーンワークに向いているカッターとは!? p.8 /プロが独断で選んだおススメのカッターランキング p.9 /ホワイト p.13
基本的なトーンテクニック! p.15
基本的なトーンワークの流れ p.16
1.色々な削りの種類(パターン) p.18
カッターの持ち方 p.19 /キレイに削る方法!! p.20 /勢いで削る方法~荒い削りの場合 p.23 /勢いで削る方法~シャープな削りの場合 p.24 /①削り残さない p.27 /②ラインを揃える(正方向貼り) p.28 /③スジ削りをしない p.30
2.色味を考える p.31
対象物の固有色について p.33 /色のイメージについて p.33 /ベーシック決め p.34 /陰影の色味を考える p.36
3.トーンのワザを知る p.38
トーンを貼って切る p.38 /ダブル貼りの効用について p.39 /ダブル(重ね貼り)の作り方 p.40 /超ダブルに見えるシングル貼り!! p.44 /貼り分け p.46 /コピーの効用について p.47
■第2章トーンワークの実践 p.49
フォルムで削る p.50
フィルター効果①~亀甲削り p.52
フィルター効果②~はみ出し効果 p.53
簡単フィルター効果あれこれ p.54
美少女キャラ~顔の部分表現 p.58
美少女キャラ~顔の表現 p.62
美少女キャラ~体の部分表現 p.64
美少女キャラを演出する光とカゲ p.68
美少女キャラのカゲの表現とは!? p.75
革の表現①~グラデシングルの場合 p.80
グラデシングルで表現した革 p.82
革の表現②~グラデダブルの場合 p.86
グラデダブルで表現した革 p.87
衣服の貼り方・削り方 p.88
トーンを貼る時のフローチャート p.92
シャワーシーン p.93
■第3章キャラを生かす背景テクニック p.97
噴水 p.98 /桜 p.98 /ラインライト・木漏れ日 p.99 /雲 p.100
すごい雲の作り方 プロセス p.103
エフェクト p.106
1.サンダー p.106/2.光 p.108/煙 p.110
煙のトーンワーク 手順のコツ p.112
キャラを生かす背景テクニック p.116
■第4章プロセスから学ぶスーパーテクニック p.123
ウエディングドレスを着た美少女 p.124 /翼を持った美少女 p.127 /公園でポーズをとる美少女 p.130
テキトー貼りのススメ! p.133