図説・日本刀大全 1 決定版
日本刀の構造・歴史・製作工程から、購入方法や手入れの仕方まで幅広く解説する日本刀の入門書です。
大まかな流れは、巻頭折り込みで実物大の日本刀と、構造・名称の図説→大きな写真での名刀鑑賞(16)→刀の歴史→刀の製作過程→刀の装飾解説→名刀・名工の逸話→刀の鑑賞・手入れ法・買い方となります。
初心者向けに広く浅くが基本ですが、日本刀オンリーということもあって見ごたえ・読みごたえがある。版も日本刀の写真が収まりやすい様に、いつもの「歴史群像シリーズ」とは違います。細かい装飾まで判るアップ写真が多く、掲載する刀も形状の変化が大きい作画映えするものを選んでいる様に思う。
また、刀にまつわる物語も、眉唾物も含め興味を引く内容が多いです。日本刀の手入れ方法や扱い方も細かく写真入りで解説しているので作画資料によいでしょう。
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図説・日本刀大全 2 決定版
多くの名刀と刀装具の写真を載せて解説している、日本刀入門書の第2弾。
大まかな流れは、武将と名刀31振りのビジュアル解説→日本刀の分類(五箇伝と新刀・新々刀の解説)→刀装具の解説→玉鋼の製鉄法→日本刀の実演・刀剣資料となっています。
写真が多く美術品として観ているだけでも格好良いと思いますが、やはり日本刀は奥が深い。『五箇伝』など焼き物と同じで産地・流派があり、古刀・新刀・新々刀と年代によっても違う。アニメとかで刀のアップがあれば刃文・地鉄・反りで鑑定できる事が解った。
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古写真に見る日本の名城
幕末から明治初頭に撮影された「古写真」で綴る、全国93城の城郭写真集。
写真技術が幕末に伝わってから、明治6年(1873)の廃城令(全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方)までの数少ない古写真が伝える本物の城郭建築です。当時の写真撮影が大変だったことや保存状態により、かなり見づらい所も多々あります。
明治維新の廃城令、第二次大戦による空襲で多くの城郭が失われた。特に廃城令では取り壊して薪にしたり、跡地に兵舎を建てたりと、戦国時代~江戸初期からの三百年近い建築物を景気よく破棄したようです。また、太平洋戦争で焼失して、今はピカピカの首里城や原子爆弾で消えた広島城など感慨深いものがある。
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背景ビジュアル資料7城・甲冑・古戦場・武具
「背景ビジュアル資料」シリーズの第7弾は「城・甲冑・古戦場・武具」といった戦国モノです。
日本各地の城・城跡24カ所、古戦場10カ所、甲冑などの装具・小物約30点を収録。戦国・歴史時代劇モノの資料になる写真650カット以上を掲載しています。
巻頭はシリーズ共通で写真のトレース・コラージュの使い方。写真集はオールカラーで、地域ごとの城・城跡。歴史上有名な戦場跡。各城・博物館などに展示している甲冑・武具・小物と続き。巻末はモノクロで、紹介した城・古戦場の観光ガイド、ミニ甲冑資料となります。
■背景ビジュアル資料 7 城・甲冑・古戦場・武具(グラフィック社)
■城写真(かさこワールド)
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日本甲胄史[下巻]戦国時代から江戸時代
戦国時代~江戸時代までの甲冑を詳細に研究し、まとめたイラスト資料になります。
上巻の弥生~室町時代と比べれば期間は短く、室町後期から江戸初期のいわゆる『戦国時代』がメインです。『当世具足』をはじめ、戦国時代の戦場の道具や、その使用方法をイラストで解りやすくした資料になります。
有名な戦国武将の甲冑イラストが多数あります。変わり兜や旗指物、馬標、母衣などは、実用性より派手さを競うパレード衣装のようで面白い。その一方で『槍』の便利な使い方や、野戦用の陣屋はしっかりした建物だったりと、戦場の生活を含めた風景が見えるようで、作画資料として実用的です。
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新背景カタログ 5時代物編
カラー写真にリニューアルされたマール社の「新背景カタログ」シリーズ。第5弾は『時代物編』です。
新背景カタログ カラー版 5 時代物編 城・武家屋敷・大店街・長屋街・神社仏閣・和船・廻船蔵・日本庭園・農家ほか
江戸時代風の背景をイメージして、カラー写真を約500点収録しています。いくつかの写真に人物が写っていて、必要な建物との比率がつかみやすくなっている。巻頭のモノクロ漫画原稿の作画解説、コピーしやすい奥まで開く特殊製本(クータ・バインディング)も、シリーズ通りです。
読者の皆様へ(p.11)にもありますが、時代考証などはされてません。細かく見ればおかしな所はあるでしょう。作品の時代設定が決まっていて、きっちり描き込みたければ専門的な本を読み込んで、勉強して補うのが良いです。
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勇将の装い 戦国の美意識 甲胄・陣羽織
戦国時代の武将が身につけた甲冑・陣羽織などを鑑賞するための写真集です。
解説もそこそこに、甲冑や陣羽織などの美しい写真が並びます。分厚い本ですが甲冑図鑑というよりは、デザインを観るための『写真集』といった編集です。
ほんとうは機能美だけを追求すればよい甲冑に、派手な飾りや洒落たデザインを工夫する。現代からはファッションなんだろうけど、生死をわける戦場でのリスクを負った自己主張は、まさに生き様そのものです。美しいしカッコイイとは思いますが、ウサ耳、ダースベイダー、ナイト・オブ・ゴールドと・・・やっぱ、男は馬鹿なんだろうな。
■勇将の装い 戦国の美意識 甲冑・陣羽織(ピエ・ブックス)
▲勇将の装い 戦国の美意識 甲胄・陣羽織の全文
図説・戦国甲冑集 2 決定版
甲冑の豊富な写真と詳細な解説で好評だった『決定版 図説・戦国甲冑集』の続編です。兜の特集と甲冑マニア上級を目指してのうんちくが述べられています。
主な流れは、兜の種類と歴史→特色のある地域の兜と当世具足→傑作選(兜・具足・陣羽織・足軽具足コレクション)→装備や小物の解説(旗印・馬験・指物・馬鎧など)となります。
戦国甲冑集1で甲冑全般についての知識は網羅したので、2ではより細かく分類したり、鑑賞用写真の比率が多くなっている。
▲図説・戦国甲冑集 2 決定版の全文
図説・戦国甲冑集 決定版
戦国時代の甲冑をメインに解説した写真資料集です。
主な内容は、各時代の甲冑の違い→森蘭丸の甲冑詳細→当世具足と足軽具足の着用の仕方→当世具足の特徴である『胴』解説→その他の各パーツの解説→種類別の具足名品集→変わり兜・陣羽織・軍配・胴丸コレクション→読み物コラムと、一冊で戦国甲冑を理解し、たっぷり楽しめる甲冑本の決定版になっています。
平家物語に出てくるような甲冑(具足)と室町末期以降の当世(とうせい=今の世)の具足という意味で当世具足(とうせいぐそく)なのだそうです。大河ドラマ「天地人」に出てくる直江兼続や上杉景勝の鎧があります。
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日本甲胄史[上巻]弥生時代から室町時代
弥生~室町時代までの甲冑の歴史を詳細にまとめたイラスト資料になります。
古墳からの出土品や、長年の甲冑研究から色や材質、構造、使用方法まで綿密に再現されたイラストで埋まっています。2001年から月刊アーマーモデリング(小社刊)に連載されたもので『日本の軍装』シリーズになります。
序文にもありますが、漫画でもアニメでもこの時代を描くには、その都度、各人が資料を集め想像して絵にしている現状です。それを専門的に考証してまとめ、イラストにしてあることは永く有益な資料になると思う。