美少年の描き方 2 ポーズ集&ハウツー編
「美少年の描き方」に2が出ました。一発ネタの企画本だと思っていたのに・・・しかもパワーアップしている。
「美少年の描き方1」にあったおまけ漫画のような楽しめるページはなくなりました。ひたすら美少年の描き方というか、BL漫画の描き方、画面に男子しかいない漫画の描き方をレクチャーしています。鎖骨やら大殿筋が非常に重要だということが解りました。
全ページの半分、Chapter02はまるまる男子だけのポーズ集です。既存のポーズ集では載っていない、BL漫画にしかないシチュエーションを再現していると思います。
■美少年の描き方2ポーズ集&ハウツー編(グラフィック社)
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スーパーパースデッサン
スーパーマンガデッサンシリーズの5冊目。今回は背景作画に使うパースペクティブ(透視図法、遠近法)についてです。
スーパーパースデッサン―キャラが立つ遠近法のすべて
著/林 晃 作画・制作/森田和明 他、28人
理屈の部分はパースの基本、一~三点の透視図法を中心にして、プラス作画テクニック紹介といった内容です。ページの大半を漫画でよく使われる、ありがちな背景シーンの作画解説に費やしている。今回も「スーパーキャラデッサン」につづき、日本工学院専門学校マンガ・アニメーション科出身の17人を含む、多人数制で作画を分担しています。
漫画イラスト向けパース本としては「パース塾2」をオススメしてますが、「スーパーパースデッサン」とパース解説の内容はほとんど同じで、初心者向きです。違いは1人の作画でシンプルで解りやすく、文章も少なめなところです。それでも、もっと具体的なパース作画を見てみたいなら、「スーパーパースデッサン」の作画例は参考になるかと思います。
■スーパーパースデッサン(グラフィック社)
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スーパースポーツデッサン 基本篇
スーパーマンガデッサンシリーズの4冊目になります。今回は著者が現役のアニメーターで、NHKアニメ「MAJOR(メジャー)」のスポーツシーン担当の作画監督さんです。
スーパースポーツデッサン 基本篇
立中順平 著
スポーツやアクションシーンなどの動きのある絵づくりに特化したデッサン講座になっています。骨格デッサン人形からして普通のとはちょっと違う。簡略化した筋肉を張り付けているのは初めてだ。運動動作の基本や、連続動作でどれを決めポーズにするか?や、運動線といったスポーツが苦手な人でも絵を描くのに役に立つ法則を解りやすく教えてくれます。
また漫画的というか、実際にはありえないのだけど迫力ある絵にする方法や「らしく」魅せるポイントも、数多くの作例で見せてくれる。野球の動作が多くのスポーツに共通しているとは目から鱗でした。とりあえず「基本編」ということで、いずれ水泳や自転車などの乗り物系も出てくるだろうか?
■スーパースポーツデッサン(グラフィック社)
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男の子キャラを描こう!
既刊の「萌えキャラを描こう!―プロの作例で見る「萌える」キャラクターデザインのテクニック (GINGA COMIC FACTORY)」と似たタイトルと表紙の本ですが、「萌えキャラを描こう!」はまんま女の子キャラクターの描き方の解説で、「男の子キャラを描こう!」は描き方というよりは男の子キャラクターデザインのコツを指南しています。
男の子キャラを描こう!―プロの作例で見る「男の子キャラ」の描き方とデザインのコツ
8人の絵描きが載ってまして、2人の各インタビュー(東城和実・都筑せつり)と6人が6ジャンル(欧風・和風・中華風・SF・学園・芸能界)に分かれてキャラクターデザインを紹介しています。そして付録として「男の子キャラを描くコツ」がある。
まず「男の子キャラ」であって「男性キャラ」の描き方ではありません。一応、壮年キャラもいますが、いわゆる「渋い中年」とか「愛嬌のある老人」とか「背筋がさむくなる様な悪役」とか、男性キャラの幅が拡がるようなことはありません。前のタイトルが「萌えキャラを描こう!」なのだから「BLキャラを描こう!」が正しいと思う。「花とゆめ」より年齢高めの女性向け漫画を描くなら参考になる指南書です。
▲男の子キャラを描こう!の全文
スーパーキャラデッサン
スーパーキャラデッサン―印象に残る意図するデッサン
画/松本剛彦・森田和明 ほか 文/林 晃
「スーパーマンガデッサン」「スーパー何頭身デッサン」と続いたシリーズの3冊目。今回は印象に残るキャラデッサンということで、魅力的なキャラクターの描き方や、決めポーズ、キャラの感情表現といったところまで解説します。前2冊をふまえた基本は描ける人を対象にした内容なので、初心者向きではありません。
前半こそ魅力的なキャラクターの描き方でデッサン本の範囲ですが、後半はキャラクターを中心にした漫画作りの説明になっている。今回も作例が多く森田和明・松本剛彦の両氏が要所をおさえています。その他多数(11人くらい?)が作画を分担しているようですが、「何頭身デッサン」のときの様な作画ギャップは少なくツブが揃っている感じです。
■スーパーキャラデッサン(グラフィック社)
▲スーパーキャラデッサンの全文
漫画の教科書シリーズ 一覧
特定のワンテーマ(萌え・ロボット・BLなど)に特化した描き方シリーズです。著者は1or3人で作例も担当します。描き方解説本として理想な編集ですが、自由に書かせているのか?著者の力量に思いっきり左右されているシリーズになります。
■描画・イラスト 商品一覧ページ(誠文堂新光社)
キャラクターの基本デッサン―老若男女の描き方マスター決定版! (漫画の教科書シリーズ No.01)
キャラクターデザイナーのヒラタリョウ氏による、人物デッサン・老若男女の描き分けについて解説します。
◆キャラクターの基本デッサン詳細
萌えキャラの上手な描き方 (漫画の教科書シリーズ No.02)
イラストレーター神吉・くろば・白玉団子の3人による、低頭身・萌えキャラの描き方を、それぞれが解説します。
◆萌えキャラの上手な描き方詳細
リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座(漫画の教科書シリーズ No.03)
ベテランアニメーターの西澤 晋による、リアルなキャラの描き方と、望遠レンズを中心にした画面構成についての解説です。
◆リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座詳細
BLキャラの描き方―BLの世界をより深く描くためのキャラクター別基本デッサンから着色テクニックまで (漫画の教科書シリーズ No.04)
杉田里未・小沢有吾・MITSUBAの3氏による、BLの男性キャラクターの基本、キャラ別の描き分け、2人組バランス、着色テクニックなどを解説します。
■BLキャラの描き方(誠文堂新光社)
背景パースの上手な描き方 パース理論と着彩テクニックで創造的な世界観を描く (漫画の教科書シリーズNo.05)
代々木アニメーション学院講師の山田直樹による、背景画に必要なパースの1~3点透視の描き方と、タッチ・表現・カラーのテクニックを、3Dの解説図多めで指導します。
■背景パースの上手な描き方(誠文堂新光社)
■背景ランド HAIKEILAND
ロボットの上手な描き方 (漫画の教科書シリーズ No.06)
矢薙じょう・鷲尾直広・kouの3氏による、人型巨大ロボットのカッコイイ描き方と、メカデザインの基本を解説する。
◆ロボットの上手な描き方詳細
キャラクターの豊かな感情表現の描き方 (漫画の教科書シリーズ No.07)
イラストレーター細井 綾による、喜怒哀楽から微妙な心理表現まで、作例約900を掲載したキャラクターの表情集。
◆キャラクターの豊かな感情表現の描き方詳細
イラストレーター神吉・くろば・架空の姉、3氏による、2頭身・3頭身のチビ・ミニ・プチといった萌え系デフォルメキャラクターの描き方を解説します。
◆萌えミニキャラの上手な描き方詳細
キャラクターとモノの上手な描き方 (漫画の教科書シリーズ No.09)
キャラクターデザイナーのヒラタリョウ氏による、キャラと身近な物との絡みを自然に描けるように解説する作例集。
◆キャラクターとモノの上手な描き方詳細
SFメカニックの上手な描き方 (漫画の教科書シリーズ No.10)
ロボットの上手な描き方の続編。メカ専門のイラストレーターkou氏による、SFっぽい飛行機・戦車などの描き方。金属にあたる光(反射光、間接光)をまじえて解説します。
■SFメカニックの上手な描き方(誠文堂新光社)
アクション&スポーツを描く(漫画の教科書シリーズ No.11)
アニメーター達による、動きのある人物の作画・さまざまなスポーツシーンの作例集。
■アクション&スポーツを描く(誠文堂新光社)
構図で決める魅力的なシーンの描き方(漫画の教科書シリーズ No.12)
ゲームのキャラデザをしているイラストレーター岩元辰郎による、人物をメインにした魅力的な一枚絵の構図を学びます。
◆構図で決める魅力的なシーンの描き方詳細
女の子らしいポーズやしぐさの上手な描き方(漫画の教科書シリーズ No.13)
瀧爪獅乃(漫画家)・小沢ひより(ゲーム原画)とジャンルの違う女性イラストレーターによる、女の子らしいしぐさや女性視点のポーズを紹介します。
■女の子らしいポーズやしぐさの上手な描き方(誠文堂新光社)
美少年の描き方
描き手が男性の場合、男キャラは適当になります。というか出来れば描きたくない。ましてや「美少年」などという架空の生き物は写真を見て、いくらデッサンしたところで描ける訳がありません。そんな想像して描くマンガデッサンから生まれた特殊なキャラ「美少年」の描き方を指南してくれる「美少年の描き方」というタイトルそのままの本です。
こういった「○○の描き方」の本で女性が細かい作画例まで出しているのはめずらしいです。女性ならではの視点が多くアタリから男キャラ専用の描き方で、女性が好みそうな筋肉・手・制服・服のシワなどに多くのページを使って説明しています。ただ老若男女を描き分ける普通の描き方の補助としてみないと、若い男しかいない世界の人になってしまいそう。
あと巻末マンガなど1960年代石森章太郎~からの美少年の歴史ネタに力が入っています。読み物として面白いですが、たぶんこのネタで誰かと会話することはこの先ないと思います。ご苦労様でした。
■美少年の描き方(グラフィック社)
▲美少年の描き方の全文
マンガの基礎デッサン シリーズ
「スーパーマンガデッサン」で大ヒット&ロングセラーを成したゴーオフィス(メイン作画:森田和明)による新シリーズです。
写真を見ての人物デッサンと、デフォルメされたマンガデッサンをつなぐ、人体デッサンの技法書です。
マンガデッサンのメインであり、はじめの一歩でもある『かわいい女のコ』を描ける様になるため、徹底的に鍛え上げる指南書です。
裸の女のコが描けるようになったら衣装を着せて、キャラクターとして完成させる。衣服の描き方の技法書です。
魅力的で個性のあるキャラクターデザインをするには、どこを気をつければ良いか?どこまで描けば好いか?といったことを『普通』と『らしさ(個性)』の対比で考えます。
◆マンガの基礎デッサン 魅せるキャラ・デザイン編詳細
バトルの描き方 セオリーとバリエーション
ビンタ、殴る、蹴る、投げ飛ばす、捕まえるといった、ちょっとしたアクションシーンの描き方のコツを教えてくれます。
本格的な格闘技の描き方というわけではなく、ケンカ、もしくはよくあるアクションについての描き方です。多数の作例を中心に注意点を指摘している。漫画的なデフォルメや、らしく見せる表現方法など、実際に人を殴ったことない者にとっては参考になる事が多いでしょう。
ただ、例のグラフィック社の描き方シリーズです。作例の絵柄も10年以上前のモノでして、知識は良くても絵の処理やテクニックは今どきのか、自分の絵柄に合わせた変換が必要になります。
▲バトルの描き方 セオリーとバリエーションの全文
スーパー何頭身デッサン
スーパー何頭身デッサン―理にかなった決めデッサン (Super Manga Dessin Series)
林 晃 (著)、画/森田 和明 他多数
正直、前著スーパーマンガデッサンと比べると内容はうすいです。頭身による描き分けは、キャラクターデザインの幅や絵柄を変えるときに役立ちます。ですが、漫画はクセがあってもオリジナルの絵柄が必要ですので、まずは普段描いている頭身に固執して個性を獲得するのが先です。
この「何頭身デッサン」はデフォルメと頭身について思いっきり掘り下げて解説しています。ある程度描けるようになって、頭身の描き分けが出来るようになるのは描くのが楽しくなります。でも、2~8頭身を全部描きわける漫画もないですし、参考にする程度が良いと思います。本としては、頭身によるチビキャラの描き方と、アニメ風のキャラクターデザインの仕方が新鮮でした。
デッサンが対象を見て描き、スーパーマンガデッサンが対象を見ないで考えて描く。そして、スーパー何頭身デッサンでは実在しないキャラを想像して描く。実際、2頭身とか8頭身以上なんて人間の頭身じゃありませんし。
■スーパー何頭身デッサン(グラフィック社)