ゲームシナリオのためのファンタジー事典
架空の世界にリアリティーを持たせるための創作事典。
ゲームシナリオのためのファンタジー事典 知っておきたい歴史・文化・お約束110
魔法やモンスターが登場するファンタジーな世界を白けることなく受け入れてもらうには、どうすれば良いか?現実世界やその歴史に設定をプラスして、リアリティー(現実性)を持たせるのが近道です。そのファンタジー世界を構築するのに便利なネタ帳になっています。特にゲームシナリオを書きたい人に向けている。
事典として世界観に必要な知識を広く網羅し、ポイントをおさえて解説しています。とはいえ項目ごとには浅いのです。魔法・武器・宗教・魔物については、それぞれ創作向けの専門書があります。
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武器と防具 西洋編
ヨーロッパの刀剣・槍・弓・鎧といった火器以外の武器を種類ごとにまとめた武器事典です。
300ページのボリュームで武器事典といえます。品名ごとの紹介でイラスト(横に10cmの物さし付き)と「形状と用法」「歴史と詳細」の解説がある。分類は9つで(刀剣・短剣・鉾槍・打撃武器・射程武器・特殊武器・鎧・兜・盾)になります。ページ数は武器が8割、防具が2割で、さらに西洋編と絞られていて、中世以前のヨーロッパ方面の武器はかなり網羅された資料になっています。
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図解 近接武器
剣・槍・斧・弓など、銃器登場以前の携帯武器を解説する創作補助資料です。
2ページ1テーマの一般向けな解説、基礎知識編と力・技・特殊武器に分類した章構成になっています。武器の種類や使い方、威力などリアルさを求めた解説もありますが、一番の特長はキャラクター性を重視した武器の選択方法を説明していることです。
威力重視で一撃必殺の武器もあれば、護身用に防御向け、人を傷つけないような武器、隠し持つ暗殺用など、武器は持つ人の身体的特徴や性格「何で持つのか?」の人生観まで表す物となっています。キャラクター性を表現するのに重要なアイテムでもあります。
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中世ヨーロッパの服装 マールカラー文庫18
庶民から王侯貴族まで、中世ヨーロッパの幅広い服装をカラー図版で文庫本サイズに収めたマールカラー文庫シリーズの18。
原著は民族衣装(マールカラー文庫1)・続 民族衣装(マールカラー文庫17)と同じく、オーギュスト・ラシネが1877~1888年に刊行した LE COSTUME HISTORIQUE『服装史』全6巻です。そこから中世ヨーロッパの衣装を抜粋した「服装史 中世編1」(1995年マール社刊)の図版を中心に文庫化したものになります。
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武装事典
古代メソポタミアやギリシア神話の時代から、20世紀初頭(第1次世界大戦直前)までの各国軍装を簡単なイラストで解説し、一覧で見られる武装事典です。
壁画や彫刻でしか残っていない神話の時代から、絵画の中世、写真や実物も残る近代まで、とにかく甲冑・軍服をイラストに起こして200種以上はあります。年代順に、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、その他地域の民族まで広く網羅していて良い事典です。日本だけは5章で分けている。
イラストはほとんどモノクロですが、服飾の専門家が材質・役割など細かく注釈しているので、資料としては問題ないです。武装の装飾、使われ方、何でその形なのか?やピンポイントな歴史上の有名人など、読み物としても面白い。
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図解雑学 世界の天使と悪魔
キリスト教だけでなくイスラムや仏教などにも出てくる、天使(神の化身)や悪魔(魔の眷属)という広い意味での分け方で解りやすく説明しています。
キリスト教メインでイスラム教も充実という構成ですが、天狗まで出てくる時点で神と悪魔のなんでもありの雑学本になっている。漫画、映画、ゲームで聞いた名前は何でも扱ってくれている感じです。
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図解よくわかる英雄と魔物
ヨーロッパ・聖書・中国・インド・日本といった地域の伝説・神話から、有名な英雄・魔物・妖怪の類をピックアップしてコンパクトに紹介しています。
1つのキャラクターに1~2ページを割き、逸話を盛り込んだ解説と挿絵があり見やすい構成です。全95ページと薄いですがB5判なので内容はある。また内容はそのままで半分の大きさ(B6判)にした「図解よくわかる「英雄と魔物」事典」も発売しています。
伝説・神話に出てくる英雄や魔物の物語は、漫画やアニメ作品の主人公や敵役に奥行きを持たせるためのエピソード(逸話)に使われる。名前にいたってはそのままポンポン付けます。それ以外の方法では某監督のように、五十音表を前にランダムというか適当に付けるとかがある。
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図解 北欧神話
北欧神話の全体を1冊にまとめ、わかりやすく図解にしています。とりえず北欧神話を知りたい人向けの入門書として最適です。
炎と氷の間に拡がる混沌に生まれた一人の巨人を解体して世界が創られる。それを統治する形で主神オーディンが君臨するのだけれど、神といってもキリスト教的な慈悲深さは持っていない。知識欲の塊で、いずれ来る最終戦争「ラグナロク」を回避または勝ち残るために何でもするという、人間の王のような存在。バルハラも天国などではなく、戦闘力の高い人間を殺して連れてきてラグナロクまで戦闘訓練と称して殺し合いを延々と繰り返す(夕方には生き返る)という、ある意味人間界より凄惨な世界だったりする。でもそれが、勇猛だけど人間らしい陰のある世界として、多くのファンタジー作品に採り入れられる要素なのだと思う。
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ラルース世界の神々・神話百科
世界中の神話を地域ごとに分類し、神々の特徴と神話の概略をまとめた百科事典。
約400のフルカラー図版で興味を惹き、主神をメインに各神話を解りやすく紹介している。数多くの神話を俯瞰で眺めることができて良い。
「マンガ編集者が語るおもしろさの創り方」でも漫画のエピソード作りやキャラクター設定に、神話や昔話を参考にすると良いとアドバイスしている。少女漫画なら愛憎渦巻くギリシヤ神話やシェークスピアを読むよう薦められていますが、それ以外のジャンルならどうか?自分の好みに合った神話を探してみるのも良いかと思います。