やさしい美術解剖図
「やさしい人物画」では人体の各パーツの位置や大きさを学び、全身を描くことを目的にしていました。4コマ漫画のようなあっさりした絵柄なら、それだけでも良いでしょう。でもリアルなストーリー漫画を描くにはキャラ(人物)に質感が必要です。
人の質感は皮膚の表面よりもその下の骨や筋肉や脂肪によります。わかりやすく云えば「おっぱい」や「ヒップライン」を上手く描きたいなら皮膚の下の構造を知るのが早い。ほんとうは医学の解剖図になるのでしょうが、それを美術向けに写したのが「やさしい美術解剖図」です。
美術解剖図は「腕・手・脚・足・胴・頭と首」に分かれていて、構造図からはじまり各骨と筋肉を説明したあと、表面解剖学という下の構造が皮膚にどう現れるか解説しています。あと静脈、つまり「青スジ」の出る場所まであって、適当に描けないんだなと。
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デッサンの道しるべ
カスタマーレビューで評価が高く「脳の右側で描け」の元なのでは?というので読みました。正直いって難しいという感想です。
「これから1年間の予定で美術を学び始める」人を想定していて、美術専門の学校に通っているようなカリキュラムが組まれています。実習課題を描くまで、次の文章は1行たりとも読まないように、ということで全ての課題をこなすこと自体が高いハードルになっている。
デッサンは見たものを正確に描くと思っているとびっくりします。そのモノの本質を画きだすために、観察眼を養うのが目的です。人であれば表面の皮膚だけでなく、その下の骨や筋肉の付きかた、関節などの全体の動き、さらには心理状態まで描きとる訓練らしい。まさに芸術家・画家をめざす志のある人向けのデッサン練習法なのでしょう。
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おすすめデッサン人形
むかしはデッサン人形といえば木製のモノでした(下でうなだれているヤツ)。でも最近は、プラスチック製の稼動パーツの多いドールのことをいうようです。人は神に、人形は人に似てくると言いますが、デッサン人形も同じように進歩しています。
△オビツボディ女性ノーマルタイプ・ミクロマン2006アスカ綾波レイ△
わりと手に入りやすくデッサン人形に使えるのはオビツボディと ミクロマン の素体シリーズです。
ミクロマンシリーズは色やバストサイズ、キャラクターなども含めるとかなり種類が豊富です。10センチほどと小さいですが、しっかりポーズもとれます。価格も安くて助かります。
オビツボディは20センチ以上と大きく、そのぶん扱いやすいです。デッサン人形は大きい方がよく見えて描きやすいと思うので、オビツボディがオススメです。ただ、気になるのはドールの素体として靴を履かせるためなのか、デッサン人形にしては足が小さいです。
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ブックスタンドEDH-004
ELECOM EDH-004 ブックスタンド(amazon)
ブックスタンド EDH-004(エレコム)
模写や資料本を見て描くとき、片手がふさがる。できれば両手が使えた方がラクなのは確か。そこで辿り着いたのが、このブックスタンド。デザインはカッコよくはありませんが、いろいろ見た中では一番本を傷めない形ですし、B4サイズの画集も立てられるので、機能性は◎です。
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やさしい人物画
「やさしい人物画」は「著者自身が修行時代に欲しかった本」として書かれています。
つまり、人物の描き方を出来るだけやさしく、そして短期間で学べるよう、最初から丁寧に書かれている。それこそ、全くの初心者に読んでもらいたい、そんな美術の教科書にしても良い本です。
僕は昔から「デッサン」が嫌いでした。理由は「こんな絵を描きたくない」からです。でも、それは間違いでした。デッサンで、本当に学ぶべきことは、目や髪の毛のパーツを細かく描くことではなく、それがどこにあるか?の人体設計図を覚えることです。